学校生活、新入社員教育等々、特に教育が行われる場においては、その教育を受ける集団に対し、団結することについて指導教育をすることは多いと思います。
同期同僚皆で団結し、共通の目的を達成するということは、確かに大切なことを学ぶいい機会にはなります。
ただし、その裏には色々と考えた方がいいことがあるのも事実です。
本記事ではそのことについて書いていきたいと思います。
団結のチカラ
教育の場で言われる団結というものには、被教育者に底知れぬ力を発揮させるポテンシャルを秘めています。
一人では困難であろう物事であっても、団結して取り組むことによって、その目的を達成することができることだってあるのです。よくテレビでありそうな「力を合わせて」とか、「皆で〇〇すれば怖くない」的なやつですね。
人によって、得意不得意は違います。複数人が集まれば、お互いの不得意を補い合い、最大限のパフォーマンスが発揮できるようになるものです。
また、同じ目標に向かって取り組む仲間がいるというのは、精神的にも安心感を得ることができるのです。それによって、より物事に集中することができることがあるのもメリットになるのでしょう。
こういうことから、教育の場では団結というものを教えるのでしょう。
団結のカン違い
しかし、私が生活している中では、この団結を勘違いしているケースも見受けられたりしましたので、その一部を紹介したいと思います。
私が社会人になって日が浅い頃に所属していた、とある集団でのやり取りです。
おーいジョンどう。俺これから旅行に向けた買い出しに行きたいんだけどさ、代わりに残ってる仕事やってもらっていいかな?
えっ、それって完全に私事だよね?
流石に自分の仕事位は片づけてから行きなさいよ。
いいじゃん、こういう時に助け合うのが団結ってもんでしょ?
なお、私はこの同僚に手を貸してもらえたことはありませんでしたし、この後もありませんでした。
そうなることをなんとなく予感していたので、この件も手伝いませんでした。「付き合いが悪い」と言われることはありましたが、この時の選択肢は間違ってなかったと思います。
また、別のケースでは、
やれやれ、仕事に遅れが出てしまった。遅れを取り戻すために上に掛け合って時間を確保できたから、さっさと片づけてしまわないと。
やれやれ、作業を早く終わらせないとなぁ。
あれっ、ジョンどう何やってんの?
いやあ、自分の受け持ってる仕事に遅れが出たんで、時間貰って仕事の遅れを取り戻そうとしてるところだよ。
はぁ?同僚がこうやって作業に取り組んでるのに、自分の仕事を優先させる気!?
こういう時は手伝うのが同僚ってもんじゃないの?
ということで、せっかく確保した時間が同僚の作業のために消えていきました。
やれやれ、やっと作業が終わったよ。
そっちの作業は終わったようだね。
お陰でうちの仕事が全然進められなかったのだけど…
そんなの知らないよ。
仕事が終わってないのなんて自己責任だろ、自分で何とかしろよ!
散々手伝わさせられた後に、後だしじゃんけんで「自己責任」発言。実に美しき団結だと思いました。
団結だと言いながら、ふたを開けてみれば、個人が自身の利益のために他人を使うパターンというものが、残念ながら少なくなかったイメージがあります。
当時の集団に属して、そんなに日が浅くないうちにこういう出来事が立て続けに起きたので、私は団結というものに早い段階から疑問を感じたものです。
団結を信じた先にあったもの
私の場合、このような経験が多くあったために、集団に属しつつも、常に自分で考える癖を持つようにしました。
もちろん、集団で力を合わせて物事に立ち向かうときには私も一員として尽力しましたし、その中で自分が得意な分野は積極的に手を出していきました。
自分の得意なスキルを発揮するという点で、また別の問題が発生してしまったこともありましたが、それは以前書いた記事にて書いていることを参考にしてください。
どんなに仲がいい相手であっても、言われたことを鵜呑みにするのでなく、必ずワンクッション置いて考えるという姿勢は、ある意味でその相手や集団を信用していない、と取られるかもしれませんが、これによって何度も救われたというのも事実です。
そうこうしているうちに、私の周りで不穏な話が聞こえてくるようになりました。
ちょっと前に転職した同僚から、外貨建て保険ってのを勧められてさ。預金じゃお金の貯まらないこのご時世に、なかなかいい利率だったから加入してみたよ。
こういういい商品を勧めてくれるから、やっぱ同僚ってのはいいもんだね。
転職した同僚が不動産会社に就職してね。同僚のよしみでいい物件を紹介してくれたんだ。新築ワンルームマンション投資ってやつで、面倒なことは業者が全部やってくれる。保険や年金代わりにもなるし、素晴らしいと思うよ。
それって、手を出さない方がいいやつでは。
その話をたどってみると、そういう案件を勧めてきた元同僚達は、ツテに片っ端からこういう案件を売り歩いているようでした。中には年収4桁万円と羽振りのいい生活をしている人もいるようで。
売りつけてくるまでは積極的に連絡を入れてくる一方、成約したり断ると急に素っ気なくなったり、場合によっては連絡がつかなくなるまでがほぼテンプレートなようです。
ちなみに、新築ワンルームマンション投資や、外貨建て保険というものは、少し調べればわかるのですが、基本的に手を出さない方がいい案件です。また、インセンティブが大きいことも有名です。
これもまた、団結を自分のためだけに利用するパターンですね。こういう人は、自分の営業成績が第一であり、買った人が後はどうなろうが知ったこっちゃないのです。ひどい場合、更に別の案件を追加で売りつけたりする場合もあるのだとか…
売りつけてくる方も売りつけてくる方ですが、同僚だからと手放しで乗ってしまう側も考えものだと思います。
団結はしても、自分の考えを失うな
さて、長々と書いてきましたが、最終的に私が言いたいことは、団結するのはいいけれど、自分で考えることをやめてはいけない。ということです。
先にも書いた通り、団結することによって、目的達成のために強い力が発揮できるのは事実ですが、その一方で、団結と称して個人の利益を追求する人がいるのも事実です。
集団で動いていれば、自分で考えなくても目的に進んでいくことはできるかもしれませんが、そこで思考停止することは、悪意を持った人に付け入られる隙をつくってしまうことに繋がります。
集団の中で力を発揮しつつ、自分の意見はしっかりともって、集団の中での個人は失わないようにしましょう。そうすることで、団結することによるメリットを享受しつつ、集団の中の悪意から身を守ることができます。
今回の所はこの辺で。
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