PCスキル、動画編集スキル、イラスト技術等々、他の人が持っていない特殊なスキルを持っている人、いると思います。
それをうまく使って会社内で評価されようとする人も多いとは思います。しかし、私は会社内で特殊なスキルを積極的に披露することはお勧しません。
その理由についてと、どうすればいいかを、私の体験談を踏まえて書きたいと思います。
会社における特殊スキルの利点
特殊スキルについて、色々あると思いますが、本記事では基本「特殊スキル」とまとめて呼びます。
特殊スキルを持っているということはつまり、「その人にしかできないことがある」という事になり、うまく使えば会社内で独自の地位を築き上げることができます。「このスキルならあの人!」と他の部署でも有名になれる可能性も出てきます。
独自の地位を立ち上げてしまえば、それなりの評価につながりやすい、と考える人が多いでしょう。
しかし、現実はあまりに非情です。
会社における特殊スキルの欠点
会社における独自の地位を作る、ということは、うまくいけば確かに効果があるのですが、多くの場合、なかなかうまくいきません。
余計な仕事が増える
おーい、ジョンどう。お前確か〇〇得意だったよな?
ちょっとこれを見てほしいんだけど・・・
はーい、ああ、これはアレですね。わかりました、対処しときます。
ジョンどう、うちの知り合いで休日に〇〇をしたいって話があってなあ、お前の力を借りたいんだけど。
えっ、休日ですか?
しかも、それって私的な話ですよね?
ああ、申し訳ないが、こんなことを頼めるのは君くらいしかいないんだ。
先方にはもう受ける旨で返答しちゃってるし、人助けと思って、どうか頼むよ。
勝手なことを・・・
特殊スキルを持っている人は、会社においてはいいように使われがちです。業務に関係することで手を貸すのであれば、まだわからなくもないのですが、エスカレートすると、その手は私的なことにまで伸びてくることだってあるのです。
しかも、本業に対する配慮はまずされないと思っていいでしょう。つまり、その分仕事の負担が増えてしまいます。
仕事の評価につながらない
そんな、あれだけ特殊スキルの分野で活躍したのに、評価は「普通」だって!?
何言ってんの?
好きでやってることでしょ?そんなの、仕事の評価に反映させるわけないじゃないか。
得てして、悪い環境においては特殊スキルを用いて活躍したところで、本業の評価には1ミリも反映されないことが多いのです。
おーい、うちの部署にはジョンどうって、〇〇の得意なやつがいるから、何か困ったことがあったら遠慮なく行ってくれ。すぐ向かわせるから。
おー、そりゃありがたい。
うちの部署にそういう技術を持つ人がいなくて困ってたんだ。頼りにさせてもらうよ。
そんな一方で、偉い人が勝手に他所の仕事まで受けてきて、自分の評価を上げたり、部署の評判をよくしたりすることに使われる、というのも非常に多いです。
でも、そこで散々こき使われたところで、評価にはぜんぜん反映されないものです。
おーいジョンどう、今度は〇〇部署でこういう依頼があったから、今度の土日に行って対応してくれ。
なに、好きなことなんだから大丈夫だろう?
すみませんが、お断りします。
業務に直接関係しないし、評価には反映されない仕事をやる余裕はありませんので。
何を言うか!依頼がこなせないでうちのメンツを潰すつもりか!
そこまで言うなら、次期の評価は覚悟しておけよ!
知ったことか。
潰れるのは勝手に受けたあなたのメンツじゃないか。
特殊スキルの必要な仕事を受けても評価はされないけれど、仕事を受けないことで評価は下がる、という何とも理不尽な事態は起こりえます。
このことからも、安易に職場で特殊スキルは披露しない方がいいのです。
特殊スキルを使うために
しかし、特殊スキルを持っているのに、使わずに過ごすというのももったいないと思う人は多いでしょう。
そこで、経験則から「特殊スキルを披露してもいい」と思うタイミングを書きたいと思います。
特殊スキルを正当に評価してくれる環境を見極める
やみくもに特殊スキルを披露する前に、まず自分のいる環境が特殊スキルについて正しい評価をしてくれる環境であるか、これを見極めましょう。
まず、スキルは小出しに使ってみましょう。そして、スキル持ちでありそうな他の人の様子を見てみるのです。
小出しにする際は、「手を抜いている」と思われないように、程々の力加減が必要です。
そして、自分のいる環境が特殊スキルを正当に評価してくれる、と判明すれば、後は好きなだけ特殊スキルを発揮すればいいのです。
何だ、ジョンどうは〇〇スキル持ちだったのか。早く言ってくれればよかったのに。
うちでは特殊スキル持ちの人間は特別手当を出す制度がある。次からは適用してあげようじゃないか。
そのスキル、これからもガンガン発揮して活躍したまえ。
もちろん、負担が増えるのだから本業側にも配慮してあげよう。
えっ、そんなに手当てが入るのですね。
わかりました、これからはもっとスキルを活かして頑張ります。
今まで黙っててすみませんでした。
こうなれば万々歳。自分の得意なスキルを発揮して独自の地位を作りつつ、仕事の上でも相応の評価につながりますので、やりがいも出てくるでしょう。
自分の業務にスキルを集中させる
前項の見極めを行って、残念ながら特殊スキルが正当に評価されない環境であったとわかった場合は、特殊スキルは職場においては誰にも披露せず、自分の業務に集中させるようにして、負荷軽減に努めましょう。
えっと、この仕事は通常2時間必要だけど、私のスキルを使えば30分に圧縮可能だな。でも、終わってすぐに報告したら、また次の仕事が降ってくるから、30分で終わらせた後は2時間経つまではゆっくりさせてもらおうか。
そして、2時間経過したところで完了報告を上げる、ということですね。
注意すべきは、そうやって手を抜いていることは、他の誰にも知られてはいけません。誰かに知られると、そこから「サボっている」と上に伝わる可能性があります。
何だジョンどう、もう仕事終わってるじゃないか!
それならさっさと次の仕事に取り掛かれよ!
えっ、いやあ、仕上げがもうちょっと残ってるんだ。
元々2時間かかる仕事だし・・・
部長ー、ジョンどうが仕事サボってますよー!
特殊スキルに対して正当な評価が行われない環境においては、スキルを持っているのがバレることで発生するのは、マイナスの影響しかありません。とにかく隠すようにしましょう。
怠惰だと思われるかもしれませんが、そういう環境においては普通の業務をこなしている分には普通の評価です。スキルを発揮して業務を圧縮しても普通の評価です。スキルを隠していることがバレるとマイナスの評価です。どうするべきかは、必然とおわかりですね?
あと、どうしても特殊スキルは他の人の業務で披露したくなりがちです。そうは思っても、そのことがあなたのプラスにつながることが考えにくい環境であれば、とにかく我慢しましょう。
本業以外でスキルを発揮する
自分の特殊スキルが本業で役に立たないと思った場合、副業で役立てることを考えましょう。
今のご時世であれば、クラウドソーシングみたいな形で、個々人でも業務を請け負うことが比較的簡単になっております。
イラストが得意な人であれば、サブスク制のイラストサイトを使って、ファンを獲得することで固定収入になることも考えられるでしょう。
副業的分野でスキルを発揮するのであれば、活躍の成果は報酬という形で、ダイレクトに評価されます。頑張った分だけ評価につながりますので、その分やりがいも出てくるでしょう。
また、会社に依存しない収入源となる意味では、独立の一助にもなってくれます。
ちょっと探せば、副業的立場でスキルを発揮する方法は簡単に出てきます。まずは探してみましょう。ただし、法律で副業禁止の立場の人はお気をつけて。すべては自己責任です。
自分を安売りしない
特殊スキルを持つ方は、そのスキルを安売りしてはいけません。安売りすると、スキルの価値が下がり、しまいには「やってくれることが当然」というところまで価値が低下します。
「他の人と違うことができる」ということは、他の人に自慢したくなりがちです。しかし、そうなる前に一度踏みとどまって、披露したことで発生する影響を考えましょう。
ちゃんと特殊スキルも評価してくれる環境であれば、遠慮なく発揮すればいいですし、そうでない環境であれば、踏みとどまるべきです。
自分の強みを生かせる環境か否か、それをしっかり見極めてから特殊スキルを発揮しても全然遅くありません。
特殊スキルを持つ方が、職場で搾取されないことを願います。
今回の所はこの辺で。
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