前回の続きです。
注意事項
日商簿記試験については、2021年6月実施の第158回から方式が一部変更となりました。
この記事で書いているのは変更前の方式ですので、ご了承願います。
まず、試験時間が3級が120分→60分、2級が120→90分に短縮されています。1級は変わりません。
また、3級の出題数は5問から3問に減っています。
そして、今までは解答用紙のみ提出していたものが、問題用紙と計算用紙も併せて回収されるようになり、加えて出題内容をSNSにアップすることが禁止され、模範解答も公表されなくなったので自己採点が不可能となっています。
詳細は公式サイトで確認してください。
簿記の教材選び
簿記の勉強をするにあたって、教材探しを始めました。
ひとまずネットで検索をかけてみると、オンラインで学べる教材を提供してくれているサイトがありました。
ペンギンのイラストでわかりやすく各項目の説明がなされており、最後には模擬試験まであるので、概要を気軽に学びたい方には是非ともおすすめです。この記事では便宜上「ペンギンさんのページ」と呼ぶことにしてます。
ここで基礎を学んで、問題演習を繰り返したくなった方には、下記のサイトをお勧めします。
可愛らしいライオンのキャラが所々に出てきます。幸か不幸か関西弁のマッチョではないようです。ここには簿記の基礎となる仕訳問題や、予想問題など、非常に充実した教材が置かれております。このページでは便宜上「ライオンさんのページ」と呼んでます。
教材選びが済んだら、ひたすら試験日に向けて勉強です。
受験1回目 慢心とその結果
「1回目」という書き方をしてる時点で結果が御察しかもしれませんが、おいおい書いていきます。
前日までしっかりと勉強をして迎えた試験本番。とはいえ、この時点ではペンギンさんのページの内容を網羅した程度で、問題演習はちょっと足りてなかった感はありました。
試験会場は地元の商工会議所でした。FP3級の試験がマークシート方式だったのに対し、日商簿記3級は記述式です。わからないからと鉛筆を転がして運を天に任せる戦術はとれません。
いざ、問題が配られ、始めてみると、おおよそは模擬試験に出たような問題が多く、そこまで詰まるような感じではありませんでした。とはいえ、解いているうちに謎のプレッシャーを感じたりもするのですが。
問題数は5問あり、仕訳、簿記論、試算表、損益計算書や貸借対照表の作成等が出題されて試験時間は2時間です。一通り問題を解き終わって、時計を見れば残り1時間。まだ余裕があるので、見直しを続けました。
そして試験終了。1か所だけ思い出せず、適当に書いて埋めたほかは空欄も残さなかったことと、貸方借方は合っていたこと、見直しの時点でそれなりの手ごたえを感じていたので、多分大丈夫であろうと、この時点では考えておりました。
相手方の倒産等で回収できなくなり、損失で計上した後で回収できた項目は「償却債権取立益」と呼ぶのですが、そこが思い出せませんでした。
なお、自己採点はしない性分でしたので、合格発表日までは、「まあ大丈夫だろう」的な気分で過ごしておりました。
そうして迎えた合格発表日。仕事を終えて帰宅すると商工会からお手紙が入っておりました。ワクワクしながら開封してみると…
簿記検定試験
結 果 通 知
簿記検定試験の結果を下記の通り通知します。
採点結果
問題1 | 問題2 | 問題3 | 問題4 | 問題5 | 合計 |
16/20 | 10/10 | 12/30 | 8/10 | 21/30 | 67/100 |
不合格
・・・え?
なお、合格点は70点です。あともう一歩というところで、1回目の挑戦はあえなく敗北となってしまいました。
合格できたかもしれない、からの不合格通知は、地味にショックを受けました。しかし、ここで凹んでいても何も始まりません。試験に受からなかったことというのは、すなわち自分の知識が足りていないことの裏返しであり、たとえギリギリで合格できたとして「知識の定着」という観点では適切ではないのです。
一通り落ち込んだ後は、次の試験に向けて準備を始めることにしました。
2回目リベンジ 原因分析と思い込みの恐怖
次の試験に向けて、まずは今回の敗因をリサーチし直しました。
そもそも、自己採点をやっていなかったので、何が間違っていたのかさえ把握していなかったのです。
そこで改めて、前回の試験で自分が何を間違えたのかを洗い出すことにしました。
上で書いているように、問題3の得点率が著しく低いものでした。この時の問題は、合計試算表と買掛金・売掛金明細表の作成です。
さらに掘り下げていくと、試算表に転記する前の仕訳において、ミスが見つかりました。商品の仕入れをする際、発送費を別にして仕訳していたのです。結果として、そこで仕入れ値と発送費が大きく変わり、大きな減点に繋がってしまったようでした。
何を言っているのかよくわからない方は、上のペンギンさんのリンクで「仕入れ」の項目を学んでみましょう。
その他、思い出すことのできなかった「償却債権取立益」や、仕訳問題の項目選択ミスが減点の原因であることを改めて認識できました。
失敗の原因が特定できた後は、改めてペンギンさんのページで一通りの復習をすませ、ライオンさんのページにある仕訳問題集と、予想問題集に打ち込みました。
そうして迎えた2回目の試験です。試験会場は前回と同じ商工会議所でした。
始めてから、相変わらず謎のプレッシャーを感じたりもしましたが、一通り解き終わって1時間近い時間は余ったので、今回はより念入りな見直しをしました。
すると、1回目に解いた時には大丈夫と思った問題1の仕訳において、ミスが3つも見つかりました。このまま放置していれば、危うく12点も失うところだったのです。
基本的に仕訳項目は一覧に示されたものを使うのですが、私が書いた項目は一覧にないものでした。慌てて適切な項目に修正を行い、その後も見直しを繰り返しました。
少し話は外れますが、こういう緊張した場においては、後で見れば明らかに間違っているとわかる判断であっても、それが正しいものだと思い込んでしまいがちです。例えばそれは試験の場であったり、あるいは災害等緊急事態において顕著に起きるものであると、覚えておくといいでしょう。
試験の時には「これで合ってるんだ!」と自信満々に回答したのに、自己採点のタイミングで「はぁ!?何でこんな回答しちゃったんだ?」と気づいたことがある方は多いのではないでしょうか?
こういった現象への対策はなかなか難しいですが、自分のした回答や判断に対し、再度疑ってかかるように習慣づけるのがいいのではないかと思います。
そして試験が終了し、帰ったら今回は恐る恐る自己採点を行いました。その結果、簿記論の選択問題で1か所逆にしてしまった失点以外、数字は合っているのが確認できたのです。
そして迎えた2回目の合格発表です。商工会から届いた封筒を、恐る恐る開けてみました。
簿記検定試験
結 果 通 知
簿記検定試験の結果を下記の通り通知します。
採点結果
問題1 | 問題2 | 問題3 | 問題4 | 問題5 | 合計 |
20/20 | 10/10 | 30/30 | 8/10 | 30/30 | 98/100 |
合格
自己採点でミスと認識できた場所以外は全て正解で、晴れて98点で合格を頂くことができました。
この瞬間はまるで大学入試に合格した時のような嬉しさだった覚えがあります。
そうして数日後、商工会議所から合格証書を頂きました。
合格したその後
日商簿記3級に合格できました。しかし、そこで終わってはいけません。この資格を取ろうとした本来の目的は、財務諸表の読み取りがスムーズにできるようになることです。
財務諸表の読み取りについては、勉強中からもチャレンジしておりました。
そして株式投資についても、より銘柄選びには慎重になり、「ただ何となく選ぶ」ということがなくなりました。よさそうな銘柄を見つけたときには、分析を行います。
なお、分析には過去の財務諸表も参考にできる「IR BANK」を使ってます。
やはり、勉強前に比べて用語に対する理解がスムーズにできるようになりました。
役立つ知識大いに増えたという点において、簿記3級の勉強をしたことはよかったと思っております。
余談ですが、ちょっと前に「倍返し」で有名になったとあるドラマを見直していた際、作中に出てくる用語についても、より理解できるようになったというのも、副産物でした(笑)
〇〇を実質破綻先に分類した暁には、〇〇銀行には1500億円の引当金を計上してもらいますからね!
引当金・・・つまり貸倒引当金みたいに、回収不能になった場合に備えて確保する資金の枠ってことかな。
ただし、3級の知識では踏み込んだ話については「何となくわかる」程度であり、より知りたいのであれば、もっと上位の資格が取れるような勉強が必要になりそうです。
また機会があれば、2級にも挑戦してみたいと思います。
今回の所はこの辺で。
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