先日、帰宅途中に後続車からの追突をされてしまいました。
備忘録として、事の顛末を記事にしていきたいと思います。
事故発生~直後の対応
大きめの幹線道路を走行中、ちょっと先の車が止まったので、私も早めにエンブレで少しずつ速度を落とし始めました。ふとミラーを見ると、明らかに接近レートの早い車が見え…
あっ、これは嫌な予感が…
ガン!!
そこまでの速度ではなかったとはいえ、追突されてしまいました。
ひとまず、車の動きは止まったようなのでハザードを焚き、安全な場所まで移動しました。万一相手が逃走した時に備えて、相手の車のナンバーを必死に覚えておきます。
ちゃんと相手も付いてきました。
すみません~、ちょっとうっかりしてました~!
相手は初老の方。ちょっと気が動転してるようだったので、ひとまず私の方で初動対応を進めていきます。
なお、事故対応で店舗の駐車場などを一時使用する場合は関係者に一言伝えておきましょう。
とにかくまずは110番
見たところけが人は出ておらず、負傷者の救護の必要はなさそうだったのでとにかく110番に電話し、警察を呼ぶことにしました。
なお、交通事故があったときは、
- 直ちに運転を停止して
- 負傷者を救護し
- 道路における危険を防止する等必要措置を講じる
- 警察に所要の報告を行う
以上のことを行う義務が運転者にはあります。
これを行わなかった場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。
交通事故の場合の措置
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
第百十七条 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
道路交通法 e-gov法令検索
時々警察を呼ばずに当事者同士の示談で済ませようとする人がいますが、そもそも報告義務違反になりますので、絶対に示談で済ませないようにしましょう。
軽微な事故であったとしても通報しなかった場合、当て逃げやひき逃げとして扱われる可能性があります。
なお、私はこの事故で110番に初めて電話しました。
110番に電話すると、
はい、こちらは警察本部です。事件ですか?事故ですか?
オペレータが対応してくれますので、以下の内容と、その他聞かれた事項を正確に説明していきましょう。
- 事件?事故?
- いつ?
- どこで?
- どのような状況で発生した?
- ケガ人の有無は?
- 通報者の氏名は?
通報が終わったので、警察がこちらに向かってきます。到着までの所要時間は10分~15分程度でした。
保険会社に連絡
救護措置の有無を確認、警察への通報が終わったなら、自分の契約している自動車保険会社に連絡しましょう。事故発生時の連絡先は保険証に書いてます。
ここでも警察に報告した内容と同じようなことを回答していきます。
事故対応に関して、保険会社でアドバイスをしてもらえる場合もあります。CMで時々見かける奴ですね。
保険会社への報告は、加害者被害者双方で行いましょう。
また、今回は呼んでいませんが、車が自走できない場合はレッカー車を手配することになります。保険会社の特約でロードサービスが付帯している場合がありますので、保険証を確認してみましょう。
なお、レッカー車の到着には50分程度かかると言われています。自走できない場合は早いうちに呼んでしまった方がいいかもしれません。
交通の妨害になる場合など緊急的に処置が必要な場合はロードサービスの到着を待てないこともあります。この場合は最寄りのレッカー会社に依頼することになりますが、保険のロードサービスが適用できない場合もありますので覚えておきましょう。適用できない場合でも、あとで保険の対象となって返ってくることもあるようです。
事故の件について了解いたしました。まずは大きなお怪我がないようで何よりです。
明日、担当者を決めて改めて連絡いたします。
保険会社は電話を受け、担当者を設定するようです。
証拠保全
事故にあった場合、双方の車の被害状況、現場写真などは可能な範囲で残しておきましょう。
スマホの登場により、写真撮影が容易にできるようになったのはありがたいことですね。
また、ドライブレコーダーの映像情報も保護措置をして、以降の映像で上書きされないようにしておくほうがいいです。
警察官到着
お待たせしましたー。それでは、免許証と車検証、自賠責保険証を用意してもらっていいでしょうか?
到着した警察官は2人、私と相手に1人ずつで対応をしていきます。
免許証は運転中常に携行、車検証と自賠責保険証は常時車載しておかなくてはならないものですから、提示できるはずです。
提示書類の他、身元を確認されます。職業も聞かれたりするので、名刺を持っておくと話がスムーズに進む場合があります。
書類確認の他、車の損傷状況を確認していきます。
はい、状況の整理ができました。基本的に保険会社が行うと思いますが、事故証明書の発行は○○の免許センターにてできます。
その他、補償などの話については我々は対応できませんので、お互いの保険会社を通じて行うなど各人の対応でお願いします。
現場検証が終わったところで、現場から離れてもいいようになります。
あとは自走なりレッカーなりで離れます。
また、警察は今後発生するであろう補償の話に介入することはできません。
職場等への報告
職場によっては、事故発生後速やかに報告を求めてくる場合もあります。報告系統などは職場によって異なりますので、組織の規則に従って報告を行いましょう。
ただし、上記の110番などに優先されることは基本的にありませんので、まずは上に書いた処置を行い、落ち着いたところで行えば大丈夫です。
何、交通事故だと!?
速やかに状況をまとめて、明日までに報告できるように資料を作成し、提出しろ!
組織によっては、報告をためらいたくなるようなほどガッチガチに報告を求めてくる場合もあるんですよね…
しかも、さんざん苦労してまとめて出させた挙げ句、「ふーん、了解」で終わったり。
車の回送
事故に遭った車は、修理会社に自走なりレッカーで持ち込みます。これはなるべく早い方がいいでしょう。
ただ、今回私の車はちょっと後部にへこみができたものの、走行的にも異常が見られなかったので、修理については後日行うことにします。
医療機関の受診
翌日、起きたらなんだか腰や腕が痛みます。
握力も普段の1/3くらいしか発揮できない感じになりました。
得てして、交通事故による症状は遅れて現れてくるものです。事故直後は異常がなかったように感じても、その場の判断だけで大丈夫と断言することはやめましょう。
私も症状を受け、受診することに決めました。
医療費の負担主を明確にする
交通事故で受診する場合、普段のように保険証を持って医療機関へ行けばいいわけではありません。
自分の保険会社が払うのか、相手の保険会社が払うのか、それとも自腹になるのかが明確でない状態で受診すると、窓口で一旦全額負担をすることになる場合もあります。もちろん、保険会社からの連絡を待てない緊急の場合は仕方がありませんが。
受診する医療機関を選びつつ、保険会社からの連絡を待ちました。
A保険会社(相手方)の人身傷害担当のXXと申します。この度はご迷惑をおかけしましてすみません。
ジョンどうさん、お体の方は大丈夫でしょうか?
連絡ありがとうございます。
実は、朝方から腕や腰が痛くてですね。握力も普段の1/3くらいしか出せない感じです。
流石に大丈夫ではなさそうなので、受診を考えてます。
保険会社から連絡が来たので、現在の状況を正直に話しつつ、選んだ医療機関で受診する旨を伝えました。
はい、今回については追突事故ですので過失割合は100:0となります。
ジョンどうさんが受診された費用は当方で全額負担いたしますので、どうかお大事になさってください。
自動車保険を使って受診する場合は、過失割合100:0ならば治療費を相手の保険会社が支払うため、窓口負担金は0にできます。
一方、100:0の場合は自分の保険会社は医療費の負担をすることができなくなります。ただし、通院日数によって見舞金が生じたり、人身傷害保険に加入している場合は過失割合にかかわらず医療費を受給できる場合もあります。
過失割合がはっきりしないものの、早く治療を行いたい場合などは人身傷害保険を適用して治療を受けましょう。
また、いつまで経っても連絡をよこしてこない、あるいは何かと理由をつけて支払いを拒む悪質な保険会社というのも残念ながらあるようです。こういう場合は、交通事故対応に特化した弁護士に相談しましょう。自分の保険会社に弁護士費用特約がある場合は加入しておくと、弁護士費用を保険会社に負担してもらえます。特約を使う場合は、その旨と依頼する弁護士事務所を保険会社に届け出ましょう。
なお、健康保険を使う場合は別途「第三者行為による傷病届」の届出が必要になります。また、勝手に示談をしている場合、内容によっては、一度健康保険で支払われた分まで被害者に請求されることもありますので気をつけましょう。
療養開始
保険会社から通院予定の医療機関に連絡が行ったようなので、仕事を休んで受診に行きます。
ちなみに、仕事を休む場合は有給休暇や病気休暇を使いましょう。休日働いたことで付与される代休制度を使うと、休業損害の算定に影響が出てくるそうです。
あー、追突事故でよくある症状ですね。ぶつかったときに無意識にハンドル握り込んだり、踏ん張って衝撃を受けてしまうんですよ。
大丈夫です、ちゃんと治りますから。
さすがは交通事故対応のプロ。的確なアドバイスをしてくれました。この日はレントゲンや採血などで終わり、痛み止めなどの薬をもらいました。結果はまた後日出るようです。
初日の受診以降、リハビリが開始されました。
交通事故によるリハビリは40分を基準として行われます。100:0の場合、相手の自賠責保険から支払われるため、リハビリで通院した際に窓口での請求はありません。
リハビリにはおおよそ週2回程度通い、痛む部分にマッサージなどをしてもらいました。
何度か通っているうちに検査結果が出ましたが、事故による症状は出ているものの、重篤なものではなかったようなので一安心しました。
ちなみに、私の通ったところでは「整形外科」と「鍼灸整骨院」が併設となっており、リハビリは鍼灸整骨院側で行っておりましたが、これは整形外科の医師の指示に基づく治療という扱いになっているようです。
リハビリの際には医師が回診に訪れ、異状の有無を聞いておりました。
ジョンさん回診です。
お体の調子大丈夫ですか?
整形外科が休診で鍼灸整骨院のみ開院している状態でリハビリを受ける場合、「整形外科」ではなく「鍼灸整骨院」への受診になることから、改めて保険会社にその旨を伝えて許可を貰う必要があるそうです。許可がないままに受診した場合、自費になる可能性があります。
いやー、ジョンさん体硬いですねぇ。
痛み残さないためにも、しっかりやってきますよ~
いかんせんデスクワークばっかりですから、どうしても肩とか腰は凝ってイデデデデ!
そしてリハビリを続け、体の症状がなくなったところで改めて医師に診断をしてもらいます。治療担当した医療機関は治療の終わった段階で改めてレントゲンを撮り、相手方の保険会社に提出する必要があるそうです。
最後の診断を受けて、治療については終了となります。
忙しいことや面倒であることを理由に途中で受診しなくなる人がいるようですが、正しい診断を受けられなくなったり、その他不利益を被る可能性がありますので、受診は最後までちゃんと行いましょう。
車の修理
追突されてしまった車に関しても、見た目的にはそこまで大きな被害ではなかったにしろ、どこに不具合が出るかもわかりません。早いとこ修理したかったので、処置を行います。
相手方の保険会社の物損担当者から連絡があったので、車を搬入する予定の整備工場を探しておき、先方に連絡を入れた上で、物損担当者にお店の情報を伝えました。
承知しました。修理費用については当方で負担いたしますので、引き続きよろしくお願いします。
車を搬入し、しばらくは代車での生活になりました。
こちらも、100:0なので事故部分の修理に伴う負担はありません。自費負担を出せば、事故修理部分以外の整備もついでにやってもらえます。
ちなみに、代車が保険によって出せる期間は2週間が限度のようです。
追加の整備をお願いしていたため、車の修理には約1ヶ月かかりました。
修理完了の時点で物損担当者から連絡があり、物損事故解決に関する承諾書にサインします。
なお、私の乗っている車は古いものなので、修理代が時価総額を超えてしまったようですが、超過分に関しても加害者側で処置されたようです。
超過分に関しては、対物超過修理費用補償特約に加入していれば補償されます。
加入してない場合、当事者間の話し合いになることもあるようです。
治療・修理後の処置
体の治療、車の修理すべてが終わったところで、最終的な賠償金額の算定に入ります。その他、請求できるお金が存在する場合もあるようです。
賠償金額の手続き
賠償金の算定基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、基準額は自賠責<任意保険<弁護士の順番です。
基本的には自賠責または任意保険の基準で算定したものが提示されてきます。
その気になれば弁護士を交渉に入れて、賠償金を弁護士基準に引き上げることもできたかもしれませんが、相手方も特に悪意がある感じではなかったですし、しっかり対応してもらえたので私は提示額でそのまま了承しました。
了承後、指定の口座に賠償金が振り込まれました。これにて事故対応にかかわる金銭のやり取りは終わりのようです。
傷害保険の請求手続き
私は会社でいくつかの保険に加入していたので、そちらで保険金を受け取れるものがないか調べてみました。すると、傷害保険で交通事故に対する保険金支払があったようなので、担当者に連絡してみました。
まず、事故で大きな怪我がなかったようで何よりです。こちらの保険金手続きは、治療が完了したあとで対応いたしますので、まずは治療と修理に専念してください。
傷害保険から保険金を受け取るにあたっては、事故証明書、診断書、診療報酬明細書の3つが必要になりました。これらは相手側の保険会社に依頼して送ってもらうことができます。
また、私が加入していた傷害保険では事故発生日から180日以内のうち、最大90日分の通院(入院)日数に応じて保険金が支払われるようなので、請求しない手はありません。
保険金については、基本的に自分から請求手続きしないと支払われません。自分がどんな保険に加入していて、どういう状況でどこからどれだけの保険金が支払われるかはしっかり把握しておきましょう。そうでないと、入り損でしかありません。
ちなみに、請求権利発生日の翌日から3年以内に行使しない場合は時効になってしまいます。
見舞金の受け取り
今回の事故では100:0なので、基本的には私の加入している保険会社で対応できることはなかったのですが、どうやら見舞金制度というものがあったらしく、通院日数によってある程度の見舞金が出ると説明されました。
こちらは、ある程度の通院日数で上限になったので、治療完了を待たず上限日数になったところで書類を書いて送りました。
今回の事故で一番早く振り込まれたのがこの見舞金でした。
免許の更新
事故処理が終わった頃、ちょうど免許の更新時期が近づいており、ハガキが届きました。
免許更新か。
今までゴールドだったけど、今回の事故でブルーになったりするのかな?
ある意味無事故ではない立場なので、ゴールドではなくなることを心配しておりましたが、更新講習を受けた結果、特に問題なくゴールド継続でした。
こちらに非がない事故であれば、免許の更新に対する影響はないようです。
事故にかかわる対応が一通り済んだので、まとめてみました。
交通事故に遭わないことが一番ですが、そうもいかないものです。
万が一の事態に備えて知識を整理し、冷静に対処できるようにしておきましょう。そうすることで、いざという時に自分の身を守ってくれることになります。
今回の所はこの辺で。
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