前記事では、情報処理安全確保支援士試験の概要や、取得するメリット・デメリットなどについて書きました。
今回はその続きとして、私が実際に情報処理安全確保支援士試験を受験したときの体験記を書いていきます。
私が受験したのは2022年秋季試験です。
当時は現在とは試験制度が一部異なっており、午後試験も「午後I」と「午後II」に分かれていました。その後、令和5年度秋季試験から午後試験の形式が変更され、現在は午後試験が1つに統合されています。
また、2026年度からは応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験について、CBT方式への移行も予定されています。
そのため、この記事で書いている受験当日の流れや試験形式は、基本的には2022年秋季試験当時の体験談となります。
ただし、勉強方法や試験に向けた考え方、午後問題への向き合い方などは、現在の試験でも参考になる部分があると思います。
この記事では、
- 受験を決めた理由
- 受験申込み
- 試験に向けた勉強方法
- 受験前の準備
- 試験当日の流れ
- 試験終了後の自己採点と合格発表
について、当時の体験を振り返りながら書いていきます。

情報処理安全確保支援士試験って、実際に受けるとどんな感じなの?

どんな勉強をして、試験当日はどう動けばいいの?
そんな方の参考になれば幸いです。
鉄は熱いうちに打て
私が情報処理安全確保支援士試験の受験を考えるようになったきっかけは、2021年秋に応用情報技術者試験に合格したことでした。
応用情報技術者試験に合格すると、一定期間、高度情報処理技術者試験や情報処理安全確保支援士試験を受ける際に午前I試験の免除を受けることができます。
この午前I免除はかなり大きいです。
午前I試験は、応用情報技術者試験の午前問題に近い内容が幅広く出題されるため、改めて対策しようとするとそれなりに負担があります。
せっかく応用情報技術者試験に合格し、知識もまだ頭の中に残っている状態だったので、この勢いのまま高度試験にも挑戦してみたいと考えるようになりました。

まさに「鉄は熱いうちに打て」です
数ある高度試験の中で情報処理安全確保支援士試験を選んだ理由は、大学時代にサイバーセキュリティに関する分野を学んでいたこともあり、比較的取っ付きやすそうに感じたためです。
もちろん、実際に勉強してみると簡単な試験ではありませんでした。
ただ、ネットワーク、認証、暗号、脆弱性、インシデント対応など、もともと興味を持ちやすい分野が多かったため、他の高度試験よりも前向きに勉強を進められそうだと感じました。
実は、情報処理安全確保支援士試験には、個人的なリベンジという意味もありました。
今回の受験からさらに10年ほど前、まだ「情報セキュリティスペシャリスト試験」と呼ばれていた頃に、私は一度この試験を受けようと考えて勉強していたことがあります。
ところが、そのときは試験日のある週末に職場の行事予定が後から入り、受験を断念することになりました。

◯月◯日(試験日のある週末)は行事があるため、予定を入れないように。

あの、そこで試験受けようと思ってたんですが…
結局、そのときは泣く泣く受験を諦めることになりました。
今となっては昔の話ですが、そのときに受けられなかったことは、どこか心残りとして残っていました。
そのため、2022年秋季試験への挑戦は、応用情報技術者試験合格後のステップアップであると同時に、かつて受けられなかった試験への再挑戦でもありました。
知識が残っているうちに次へ進む。
午前I免除を活かせるうちに挑戦する。
そして、昔やり残したことにもう一度向き合う。
そう考えて、情報処理安全確保支援士試験への受験を決めました。
受験の申込み
情報処理安全確保支援士試験を受けることに決めたため、まずは受験の申込みを行いました。
私が受験したのは2022年秋季試験です。
願書の受付期間は試験日の大体3ヶ月前から3週間程度と、意外と短いです。
2022年秋期試験は試験日が10月9日(日)で、願書受付期間が7月8日(金)~7月28日(木)の間でした。
受験に際しては受付期間をしっかり確認し、ちゃんと申し込むようにしましょう。
なお、高度試験は支援士試験以外は基本的に年1回のみです。受験を決心して申し込もうとしたら、既に受付期間を過ぎていたとなると目も当てられませんので注意してください。
| 春季(4月試験) | 秋季(10月試験) |
| ITストラテジスト試験(ST) システムアーキテクト試験(SA) ネットワークスペシャリスト試験(NW) ITサービスマネージャ試験(SM) 情報処理安全確保支援士試験(SC) | プロジェクトマネージャ試験(PM) データベーススペシャリスト試験(DB) エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES) システム監査技術者試験(AU) 情報処理安全確保支援士試験(SC) |
私は応用情報技術者試験の午前問題にかなり苦戦した記憶があったため、午前I試験の免除が使えるうちに申し込むことにしました。
午前I試験は、応用情報技術者試験の午前問題に近い内容が出題されるため、ここを免除できるかどうかはかなり大きいです。
支援士試験の受験手数料は7,500円です。インフレの波か知りませんが、少しずつ値上がりしているようです。

2021年春季までは5700円だった覚えが…
また、試験の一部免除を申請するためには、該当する試験の合格証書番号が必要になります。証書をなくして番号が思い出せないような事態は避けましょう。
合格証書をスキャンして、クラウドに保管しておくというのも割と便利です。
当時の申込みは、IPAの試験申込サイトからインターネットで行いました。
特に難しい手続きではありませんでしたが、試験区分、受験地、午前I免除の有無などを間違えないように確認しながら進めました。
受験地については、県内で受験できる市町村を選ぶ形でした。
試験会場は申込み時点で細かく指定できるものではなく、受験票が届いてから具体的な会場を確認する形だったため、受験票が届いたら早めに場所を確認しておくことをおすすめします。
なお、ここまで書いた内容は、あくまで2022年秋季試験当時の受験申込みの流れです。
現在は試験制度が変わってきており、2026年度からは応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験がCBT方式へ移行予定となっています。従来の春期・秋期試験についても、2026年度は前期試験が2026年11月頃、後期試験が2027年2月頃に実施予定とされています。
また、CBT方式への移行に伴い、受験者は会場ごとに設定された予約枠から受験日時を選択できるようになる予定です。科目名も、従来の午前I・午前IIはそれぞれ科目A-1・科目A-2、午後試験は科目Bという名称に変更される予定です。
そのため、これから情報処理安全確保支援士試験を受験する場合は、私が受験した2022年当時とは申込み方法や試験日の考え方が異なる可能性があります。
受験を検討する際は、必ずIPAの公式サイトで最新の申込期間、試験方式、受験日時の予約方法を確認しておくようにしましょう。
試験に向けた準備
受験を決めてからは、まず試験勉強に使う参考書を探し始めました。
ネットで評判を確認しつつ、書店にも足を運び、実際に中身を見ながら選ぶことにしました。
情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティ分野を中心とした試験ではありますが、ネットワーク、データベース、システム開発、マネジメント、法務など、関連する知識の範囲はかなり広いです。
そのため、最初から問題演習だけで突破しようとするよりも、まずは全体像をつかめる参考書を使った方がよいと考えました。
今回選んだのは、「情報処理安全確保支援士 合格教本」でした。
この参考書はかなり分厚い本ですが、試験に出てくる知識を一通りカバーしてくれています。
セキュリティの専門用語や仕組みについても、単に用語を並べるだけでなく、どのような場面で問題になるのか、どのような対策が必要になるのかを含めて説明してくれるため、読み進めやすい本でした。
また、午後問題についてもある程度触れられており、どのような視点で問題を読めばよいのかをつかむ助けになりました。
なお、この参考書、下記の引用のように時々作者のダークな部分が出てくることがあり、それが結構面白かったりします。
本試験では,モバイルPC,携帯電話,スマホ,社員証などは,落とすため(あるいは盗まれるため)に存在します。
(中略)
落っことしたスマホは誰かが拾うのが道理です。そして本試験には善意の第三者は登場しません。人を見たら,セキュリティ侵害を狙うねずみと思わなければならないのがセキュリティ担当者です。著者もこの仕事を始めてからだいぶ人相が悪くなりました。物心ついた時期から悪かったので,今では店員さんが目を合わせてくれない水準です。心の受容水準を超えています。よい機会ですから,是非,受容水準についても復習をしてください。
「令和04年【春期】【秋期】情報処理安全確保支援士 合格教本」 665ページ
約800ページのボリュームがあり、その中にはセキュリティに関する知識が時にはユーモアをまじえながらふんだんに書かれています。
まずはこの参考書を中心に、第1部の知識整理部分を3周ほど読み込みました。
1周目は分からない部分が多くても、とにかく最後まで読み切ることを意識しました。
2周目では、1周目で引っかかった部分を確認しながら読み直し、3周目では試験で問われそうなポイントを意識しながら読み進めました。
応用情報技術者試験を受けたのが2021年秋だったため、その気になれば2022年春の支援士試験を受けることもできました。
しかし、さすがに準備期間としては少し不安があったことと、当時は仕事も忙しかったことから、2022年春の受験は見送りました。
その分、焦って受けるのではなく、2022年秋季試験に向けて時間をかけて参考書を読み込むことにしました。
ある程度参考書を読み終えたところで、次に過去問演習を始めました。
過去問演習には「情報処理安全確保支援士ドットコム」にある「過去問道場」の出番です。
過去問道場は、応用情報技術者試験のときにもかなり活用していたため、今回も同じように使うことにしました。
午前II試験は、セキュリティ分野を中心に、ネットワーク、データベース、開発技術、サービスマネジメント、システム監査などから出題されます。
問題数は25問で、試験時間は40分です。
1問あたりに使える時間はそれほど長くないため、知識をじっくり思い出しながら解くというより、ある程度スピーディーに判断できる状態にしておく必要があります。
その点、過去問道場は午前II対策との相性がかなりよいと感じました。
過去問を繰り返し解いていくと、よく問われる用語や論点が少しずつ見えてきます。
もちろん、過去問とまったく同じ問題だけが出るわけではありません。
選択肢が変わっていたり、問題文の聞き方が少し変わっていたりすることもあります。
それでも、過去問演習を重ねておくことで、午前II試験で問われる知識の方向性にはかなり慣れることができました。

なお、午前Iに関しては応用情報技術者試験用の過去問道場に通うのが効果的ですよ。
一方で、午後試験については、単純な知識問題とは少し性質が違います。
午後試験では、長い問題文を読み、システムの構成や業務の流れ、発生している問題点を把握したうえで、設問に答えていく必要があります。
知識そのものも必要ですが、それ以上に、
- 問題文のどこにヒントがあるか
- 設問で何を聞かれているか
- どの程度の粒度で答えればよいか
- セキュリティ上の問題点をどう表現するか
といった、記述式問題特有の読み方・答え方が重要になります。
そこで、午後試験対策として追加で購入したのが、「ポケットスタディ 情報処理安全確保支援士」でした。

なお、現在は「こう書く!セキスペ 情報処理安全確保支援士」
という名前で本を出版しているようです
本記事ではポケットスタディと呼称します
この本は、体系的に知識を学ぶというより、試験で点を取るための考え方や、よく出る解答パターンをコンパクトにまとめた本という印象でした。
そのため、最初の1冊として使うには少し向かないと思います。
セキュリティの基礎知識がまだ十分でない状態で読むと、内容が要約されすぎていて、かえって分かりにくく感じるかもしれません。
一方で、合格教本などで一通り学習した後に読むと、
「この問題では、こういう方向で答えればよいのか」
「この聞かれ方をしたら、この観点を思い出せばよいのか」
という形で、午後問題の解き方を整理する助けになります。
私の場合は、合格教本で知識を入れたうえで、過去問道場で午前II対策を行い、最後にポケットスタディで午後試験の答え方を補強するという流れで勉強しました。
この組み合わせは、当時の自分にはかなり合っていたと思います。
なお、私が受験した2022年秋季試験では、午後試験が「午後I」と「午後II」に分かれていました。
現在の情報処理安全確保支援士試験では、午後I・午後IIの区分はなくなり、午後試験は150分の記述式試験に統合されています。
そのため、これから受験する場合は、古い参考書や古い体験記をそのまま鵜呑みにするのではなく、現在の試験形式に対応した教材を使うことが大切です。
また、2026年度からはCBT方式への移行も予定されています。
知識として問われる範囲や出題形式、出題数、試験時間は大きく変わらない予定とされていますが、紙の問題冊子ではなく、PC画面上で問題を読む形になる点は意識しておいた方がよいと思います。
特に午後試験は問題文が長いため、現在受験する場合は、紙の過去問だけでなく、画面上で長文を読む練習もしておくとよさそうです。
試験制度は変わっても、問われる力の本質は大きく変わらないと思います。
セキュリティの基礎知識を固めること。
午前系の問題は過去問演習で反射的に解けるレベルまで慣れておくこと。
午後問題では、問題文を丁寧に読み、設問に対して必要な答えを過不足なく書くこと。
このあたりは、私が受験した2022年当時も、現在の試験でも共通して重要なポイントだと感じます。
受験前の準備
試験を受ける数週間前になるとIPAから受験票が送られてきます。
私が受験した2022年秋季試験では、受験票は郵送で届き、そこに試験会場や受験番号などが記載されていました。
郵送の場合、得てして「ちゃんと申し込みが受理されているか不安になってきたタイミング」くらいに届きますので、申し込み手続きを完了させているのならば気長に待ちましょう。
会場は宇都宮市内のホテルでした。
情報処理技術者試験というと、大学や専門学校の教室で受けるイメージがあったため、ホテルが会場になっていたのは少し意外でした。

ホテルで試験を受けるのは、少し不思議な感じがしました
受験票が届いたら、まずは試験会場の場所を確認しました。
当日になってから会場の場所を調べると、移動時間の見積もりを誤ったり、入口が分からず焦ったりする可能性があります。
特に初めて行く会場の場合は、最寄り駅や駐車場、会場までのルートを事前に確認しておいた方が安心です。
私の場合は近場の会場だったため、場所自体は大きな問題にはなりませんでしたが、それでも当日の朝に慌てないよう、事前にアクセスを確認しておきました。
また、2022年当時の受験票には顔写真を貼る必要がありました。必要なのは縦40mm×横30mmの写真1枚です。
写真を貼り忘れると当日かなり焦ることになるため、受験票が届いたら早めに写真を用意して貼っておくことをおすすめします。
今どきはスマホで写真をとってコンビニで証明写真の印刷が300円位でできます。「証明写真 コンビニ」とかで探せば方法はすぐ見つかります。専用アプリを入れる必要があるものからブラウザで完結できるものまで様々です。
試験当日の持ち物としては、受験票、筆記用具、腕時計、昼食、飲み物などを準備しました。
情報処理安全確保支援士試験は、午前から午後まで長時間続く試験です。
特に午後試験まで受ける場合、昼休みの時間はあるものの、外に食べに行く余裕があるとは限りません。
そのため、昼食や飲み物はあらかじめ用意しておいた方が安心です。

試験当日は、問題を解く以外のところで余計な消耗をしないことも大切です
また、当時の試験では筆記試験だったため、シャープペンシル、鉛筆、消しゴムなども忘れないようにしました。
午後試験では記述式の解答を書くため、普段使い慣れている筆記用具を持っていくと安心です。
腕時計も準備しておきました。
会場によっては時計が見やすい位置にあるとは限らないため、時間配分を確認するためにも腕時計はあった方がよいです。
ただし、スマートウォッチなどの通信機能があるものは使えないため、試験用には普通の腕時計を用意しておくのが無難です。
勉強の方も抜かりないよう、試験直前には過去問道場に当時あった全650問にすべて回答し、学習の全期間を通した正答率は83.5%でした。
なお、支援士試験も合格点は午前午後とも60点以上です。ただし、午前I→午前II→午後I→午後IIの途中のどこかで落としてしまうと、以後の試験が採点されなくなってしまいます。
なお、ここまでの内容は、あくまで2022年秋季試験をペーパー方式で受験したときの準備です。
現在の情報処理安全確保支援士試験は、2026年度からCBT方式への移行が予定されています。
CBT方式では、試験会場に設置されたコンピュータを使って受験する形になるため、受験票、顔写真、筆記用具、時計などの扱いは、私が受験した当時とは変わる可能性があります。
IPAは、2026年度から情報処理安全確保支援士試験をCBT方式へ移行予定であることを公表しています。
また、CBT方式移行後は、科目A群と科目B群をそれぞれ会場ごとの予約枠から選択する形が予定されています。
そのため、これから受験する場合は、私が準備したものをそのまま真似するのではなく、必ず受験案内で最新の持ち物や注意事項を確認してください。
特に確認しておきたいのは、本人確認書類、受験日時と会場、持ち込み可能なもの、試験中に机上に置けるもの、メモ用紙や筆記具の扱いです。
試験制度が変わっても、当日に慌てないよう事前準備をしておくことの重要性は変わりません。
会場までのルートを確認する。
必要な持ち物を前日までにそろえる。
試験時間中に集中できるよう、昼食や飲み物も含めて準備しておく。
こうした地味な準備をしておくだけでも、当日の不安はかなり減らせると思います。
試験本番
いよいよ試験当日を迎えました。
私が受験したのは2022年秋季試験です。
当時の情報処理安全確保支援士試験はペーパー方式で行われており、午後試験も現在のように1つに統合される前だったため、「午後I」と「午後II」に分かれていました。
そのため、この章で書いている試験当日の流れは、2022年秋季試験当時の体験談です。
現在の試験では午後I・午後IIの区分はなくなっており、午後試験は150分の記述式試験として実施されています。
また、2026年度からはCBT方式への移行も予定されているため、これから受験する方は、必ずIPAの公式情報で最新の試験形式や当日の注意事項を確認してください。
さて、試験当日です。
今回は近場の会場で受験できたため、応用情報技術者試験のときのように前日から現地入りする必要はありませんでした。
その分、当日の朝は比較的落ち着いて準備することができました。
当時、私が持っていったものは次のとおりです。
- 0.5mmシャープペン×2
- 消しゴム×2
- 参考書(合格教本、ポケットスタディ)
- 受験票(写真つき)
- 腕時計
- 途中のコンビニで買った菓子パンと500ml飲料
現在はCBT方式への移行が予定されているため、筆記用具や受験票の扱いは当時と変わる可能性があります。
ただ、試験当日に慌てないよう、必要なものを前日までにそろえておくことの重要性は変わりません。
また、スマートフォンや時計のアラーム、着信音などには注意が必要です。
試験中に音が鳴ってしまうと、場合によっては退室を命じられる可能性もあります。

試験内容以外のところで失敗するのは、さすがにもったいないです。
午前I試験免除者は10:30分迄に着席できればOKです。一部免除は朝の時間に余裕ができるという点でも有利です。なお、午前Iから受験する方は9:10までに着席です。
午前I免除は、勉強範囲を減らせるという意味でも大きいですが、試験当日の朝に少し余裕を持てるという点でもありがたかったです。
今回の受験場所は県内でも結構有名なホテルでした。
会場に到着すると、試験場とは思えないようなゴージャスな造り。試験を受ける部屋はまるで結婚式の披露宴でも行うのかと言わんばかりの空間でした。
見栄え重視のためか、長机にはしっかりカバーが掛けられ、豪華な雰囲気でしたが、カバーがレースのような生地で、机に凸凹ができてました。筆記試験を行うには少々不安のある材質でしたが、それを補うべく、受験者の席には厚紙が置かれていました。

正直なところ、受験者目線では普通の長机の方がありがたかったです
とはいえ、ホテル会場ならではの独特な雰囲気で、これはこれで印象に残る試験会場でした。
私は午前I試験は免除でしたが、応用情報技術者試験の午前試験に出るような内容が多岐選択方式で30問出題されます。セキュリティ以外にも幅広い範囲の出題がされますので、結構大変そうです。試験時間は50分なので、1問あたり1分40秒の計算ですね。
さて、午前II試験が開始となりました。午前II試験は、25問の多肢選択式です。
試験時間は40分しかないため、単純計算でも1問あたりに使える時間はかなり短くなります。
受験番号の記入や見直しの時間も考えると、1問1問をじっくり考え込む余裕はあまりありません。
午前IIでは、セキュリティ分野を中心に、ネットワーク、データベース、システム開発、サービスマネジメント、システム監査などの問題が出題されます。
過去問道場で見たことのあるような問題も多く、事前に過去問演習をしておいた効果はかなり感じました。
ただし、過去問とまったく同じ感覚で反射的に答えると危ない問題もあります。
問題文の聞き方が少し変わっていたり、選択肢が入れ替わっていたりすることがあるためです。

見覚えのある問題ほど、油断して読み飛ばさないことが大事です
また、応用情報技術者試験と違って午前試験での途中退出はI、IIともにできません。
11:30まで試験をやってから解答用紙が回収され、次は12:10までに着席なので昼休みは正味30分程度しかありません。昼食とトイレをさっと済ませて午後試験に向けた最終チェックを行います。

昼休みは、休憩時間というより午後試験への切り替え時間という感じでした
午後I試験は大問が3問あるうちの2問を選択する記述式で、問題のボリューム的には大問一つあたりB5版冊子で4ページ程度です。試験時間は90分であり、1問あたりに使える時間は45分です。しっかり時間管制しながら問題を解いていきましょう。
試験が終わったあと、次の試験開始は30分後ですが、着席完了は試験開始の20分前とされていますので、実質休憩時間は10分しかありません。トイレなどは混雑する可能性が高いので、あらかじめ使える場所を複数探しておいたほうがいいでしょう。
午後II試験は2問あるうちの1問を選択する記述式です。問題文がとにかく長いです。B5版の問題冊子で1問あたり10ページ近く書かれており、そこから正解を導き出します。試験時間は120分と比較的余裕はあり、じっくり考えることはできます。長い問題なので途中で詰まると若干焦りますが、よくよく考えると過去問での回答パターンに似ている場合が多いです。そのため、ポケットスタディを用いた過去問演習は個人的に効果があったと感じました。
解答中に詰まった問題については、いったん飛ばすようにしました。
一つの設問で考え込みすぎると、後ろの問題を解く時間がなくなってしまいます。
まずは最後まで解き進め、空欄を残さないことを優先しました。
そのうえで、時間が余ったら飛ばした問題に戻るという形です。
この進め方は、個人的にはかなり有効でした。
午後試験では、途中で「この問題は合わない」と感じた場合、大問の選択を変えることも選択肢に入ります。
ただし、問題文をある程度読んでから変更すると、それだけでかなり時間を使ってしまいます。
そのため、最初の問題選択の段階で、どの問題を解くかを見極めることも大切です。
最終的には、午後I・午後IIともに、解答欄はすべて埋めることができました。
もちろん、手応えとしては完璧ではありません。
迷った問題もありましたし、「この表現で点が入るのだろうか」と不安になった解答もありました。
それでも、最後まで解き切れたことは大きかったと思います。
現在の情報処理安全確保支援士試験では、午後I・午後IIという区分はなくなり、午後試験は150分の記述式試験に統合されています。
そのため、私が受験した2022年当時とは、時間配分や問題選択の感覚は変わっています。
ただ、長い問題文を読み、設問で聞かれていることを正確に把握し、問題文中の根拠をもとに解答するという点は、現在の試験でも変わらないと思います。
さらに、2026年度からはCBT方式への移行が予定されています。
紙の問題冊子ではなく、画面上で長文を読むことになるため、これから受験する方は、PC画面上で長い文章を読みながら解く練習も意識しておいた方がよいかもしれません。
試験形式は変わっても、午後問題で大切なのは、知識を持っていることだけではありません。
問題文を読むこと。
設問に素直に答えること。
時間配分を意識すること。
そして、最後まで解答欄を埋め切ること。
このあたりは、私が受験した2022年秋季試験でも、現在の試験でも共通する大事なポイントだと感じます。
試験を終えて
午後II試験が終わった時点で、かなり疲れていました。
午前IIから午後IIまで受けるだけでも長丁場ですが、特に午後試験は問題文の量が多く、集中力をかなり使います。
試験が終わった直後は、解放感もありましたが、それ以上に「果たして本当に合格点に届いているのだろうか」という不安の方が大きかったです。
余裕ができたところで自己採点を恐る恐るやってみました。公式からの模範解答は合格発表日までありませんが、専門学校などが試験日から近いうちに解答速報を出してくれたので、それを参考にしました。
その結果、午前IIが68点、午後Iが74点、午後IIが71点と、一応は合格点を取ることができたみたいです。

午前IIについては思ったよりも点数が伸びませんでした。過去問道場に救われた感があります。
合格発表は試験日から約2ヶ月先です。合格できている可能性はあるものの、実際がどのような結果になるかは現時点ではわからないので、結果が待ち遠しいところです。
しばらく勉強漬けだったので、試験が終わってからは読書をするようにしました。
そして月日は過ぎ、いよいよ合格発表の日になりました。
IPAの合格発表ページで受験番号を確認しました。
この瞬間は、何度経験しても緊張します。
自分の受験番号を探していくと、そこに番号が載っていました。

えっ、ある……? 本当にある……?
最初に見つけたときは、見間違いではないかと思い、何度も受験番号を確認しました。
受験票の番号と照らし合わせて、ようやく本当に合格していることを確認できました。
その後、成績照会で点数も確認しました。
受験票が来たとき、控えにはパスワードが記載されています。IPAのHPで一定期間は受験番号とこのパスワードを使うことで成績照会と得点の分布が確認できます。
| 午前I試験 | 免除 |
| 午前II試験 | 68点 |
| 午後I試験 | 66点 |
| 午後II試験 | 77点 |
自己採点に比べると、午前IIは予想通りで、午前Iは思ったより低く、逆に午後IIが高かったようです。
試験の得点分布は以下のとおりです。
| 得点 | 午前I試験 | 午前II試験 | 午後I試験 | 午後II試験 |
| 90~100点 | 94名 | 332名 | 200名 | 235名 |
| 80~89点 | 413名 | 1700名 | 746名 | 431名 |
| 70~79点 | 1078名 | 2105名 | 1654名 | 913名 |
| 60~69点 | 1471名 | 3276名 | 2027名 | 1203名 |
| 50~59点 | 1360名 | 1420名 | 1428名 | 946名 |
| 40~49点 | 897名 | 1046名 | 807名 | 545名 |
| 30~39点 | 413名 | 216名 | 343名 | 234名 |
| 20~29点 | 82名 | 56名 | 95名 | 85名 |
| 10~19点 | 6名 | 4名 | 14名 | 16名 |
| 0~9点 | 1名 | 1名 | 11名 | 17名 |
| 合計 | 5815名 | 10156名 | 14903名 | 4625名 |
今回の試験では、午後IIを除いておおよそ中央値付近の点数であったということが読み取れました。
ただ、合格は合格です。

危ないところもありましたが、合格点を超えれば合格です
この結果を見ると、情報処理安全確保支援士試験は、高得点を狙うというより、各区分で確実に基準点を超えることが大切な試験だと感じます。
受験して感じたこと
情報処理安全確保支援士試験に合格したことで、2012年に基本情報技術者試験を受けてから約10年越しに、IPA試験のレベル4までたどり着くことができました。
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験と進んできた中で、情報処理安全確保支援士試験は、やはり一段難しい試験だったと感じます。
特に午後試験は、単に用語を知っているだけでは対応しきれません。
問題文を丁寧に読み、システムの構成や業務の流れを理解し、設問で問われていることに対して必要な答えを書く必要があります。
その意味では、知識だけでなく、読解力や記述力も問われる試験だったと思います。

セキュリティの試験ではありますが、
午後問題はかなり国語力も問われる印象でした
一方で、しっかり対策すれば合格を狙える試験でもあります。
午前IIは過去問演習で出題傾向に慣れることができますし、午後試験も過去問を解くことで、どのような観点で答えればよいのかが少しずつ見えてきます。
私自身も、決して余裕のある点数で合格したわけではありません。
午前IIは68点、午後Iは66点と、合格最低基準に近い点数でした。
それでも、各区分で基準点を超えることができれば合格です。
高得点を狙うことも大切ですが、まずは苦手分野を作りすぎず、各区分で確実に60点以上を取れる状態に近づけることが重要だと感じました。
合格後には、2023年1月に合格証書が届きました。

証書と一緒に、情報処理安全確保支援士として登録するための案内も同封されていました。
情報処理安全確保支援士試験は、合格しただけで「情報処理安全確保支援士」と名乗れるわけではありません。
登録セキスペとして活動するには、試験合格などにより登録資格を得たうえで、登録手続きを行う必要があります。
私の場合、当時は業務上すぐに登録が必要な状況ではありませんでした。
登録後は講習や更新なども関係してくるため、ひとまず試験合格までにとどめ、必要になったタイミングで改めて登録を検討することにしました。
とはいえ、試験に合格したこと自体は、自分にとって大きな区切りになりました。
セキュリティ分野の知識を体系的に学び直すことができましたし、応用情報技術者試験からさらに一歩進んだ試験に合格できたことは、自信にもつながりました。
現在の情報処理安全確保支援士試験は、私が受験した2022年秋季試験とは形式が変わっています。
午後I・午後IIは統合され、さらに2026年度からはCBT方式への移行も予定されています。
そのため、これから受験する方は、必ず最新の試験制度や受験案内を確認したうえで対策を進める必要があります。
ただ、試験形式が変わっても、基本となる部分は大きく変わらないと思います。
セキュリティの基礎知識を固めること。
午前系の問題は過去問でしっかり慣れておくこと。
午後問題では、問題文を丁寧に読み、設問に素直に答えること。
そして、最後まで諦めずに解答欄を埋めること。
このあたりは、私が受験した2022年当時も、現在の試験でも共通して大切なポイントだと思います。
情報処理安全確保支援士試験は、簡単な試験ではありません。
しかし、セキュリティ分野に関心がある方や、応用情報技術者試験からさらに上の試験に挑戦したい方にとっては、十分に挑戦する価値のある試験だと感じました。
この記事が、これから情報処理安全確保支援士試験を受ける方の参考になれば幸いです。
今回のところはこの辺で。





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