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情報処理安全確保支援士試験奮闘記~概要~

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試験の概要 スキルの話

私は、過去に応用情報技術者試験にチャレンジし、無事に合格することができました。

その体験記については別の記事で書いていますが、応用情報技術者試験に合格したことで、IT分野の知識をもう一段深めてみたいと思うようになりました。

そこで次のステップとして受験したのが、情報処理安全確保支援士試験です。

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティ分野の高度な知識が問われる試験であり、情報処理技術者試験の中でもレベル4に位置付けられている試験です。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

なお、この記事は私が2022年秋期試験を受験した当時の体験をもとに書いたものです

その後、情報処理安全確保支援士試験は午後試験の構成が変更され、さらに2026年度からはCBT方式への移行も予定されています。

そのため、この記事では私が受験した当時の情報を残しつつ、現在の試験制度についても補足しながら、情報処理安全確保支援士試験の概要を整理していきます。

情報処理安全確保支援士試験の概要

情報処理安全確保支援士は、2016年10月までは「情報セキュリティスペシャリスト」という名前でしたが、同月に「情報処理の促進に関する法律」が改正されたことで誕生しました。

情報処理安全確保支援士試験は、情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency=略してIPA)が開催する情報処理技術者試験の一つです。

略号は「SC」で、情報セキュリティ分野に関する専門的な知識や技能が問われる試験となっています。

情報処理技術者試験には、ITパスポート試験や基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など、さまざまな区分があります。

情報処理技術者試験一覧
(出典:情報処理推進機構の試験概要ページ)

各試験によって「共通キャリア・スキルフレームワーク」というレベル付けをしており、そのレベルは下記のとおりです。

レベル4 情報処理安全確保支援士試験
システム監査技術者試験
ITサービスマネージャー試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャー試験
システムアーキテクト試験
ITストラテジスト試験
レベル3 応用情報技術者試験
レベル2 基本情報技術者試験
情報セキュリティマネジメント試験
レベル1 ITパスポート試験


その中でも情報処理安全確保支援士試験は、スキルレベル4に位置付けられている試験です。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験よりも専門性が高く、情報セキュリティに関する知識をより深く問われる試験と考えると分かりやすいと思います。

支援士の目指す人物像は「サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者」とされています。

他の試験と支援士の違いは、他の試験が「国家試験」という位置づけなのに対し、支援士は試験合格後に所要の手続きを踏んで登録することで、「国家資格」として名乗ることができるようになることです。

医師法に基づき、医師免許を持たない人が医師を名乗ることができないのと同じように、情報処理の促進に関する法律に基づき、支援士の登録をしていない人が情報処理安全確保支援士を名乗ることはできません。

また、情報処理安全確保支援士試験は、試験に合格しただけで「情報処理安全確保支援士」を名乗れるわけではありません
試験合格後に所定の登録手続きを行うことで、国家資格である「情報処理安全確保支援士」、いわゆる登録セキスペの資格保持者になることができます。

この点は、他の情報処理技術者試験とは少し性質が異なるところです。

試験で問われる内容は、暗号、認証、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、インシデント対応、情報セキュリティマネジメントなど、かなり幅広いです。

単に用語を知っているだけでなく、実際のシステムや組織で起こり得るセキュリティ上の問題に対して、どのように対策を考えるかという視点も求められます。

私が受験した2022年秋期試験当時は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱという構成で試験が行われていました。
しかし、現在は午後試験の構成が変更され、午後Ⅰ・午後Ⅱに分かれていた試験は、1つの午後試験に統合されています。

さらに、2026年度からはCBT方式への移行も予定されています。

そのため、この記事では私が受験した当時の試験制度と、現在の試験制度に違いがある点を前提にしながら、情報処理安全確保支援士試験について整理していきます。

受験当時と現在の試験制度の違い

情報処理安全確保支援士試験は、私が受験した2022年秋期試験当時と現在で、試験制度が一部変更されています。

特に大きい変更点は、午後試験の構成です。

私が受験した当時は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4区分で試験が行われていました。

午後Ⅰは90分で3問中2問を解答し、午後Ⅱは120分で2問中1問を解答する形式でした。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

午後Ⅰと午後Ⅱの間には休憩時間もあったため、
試験全体としてはかなり長丁場だった記憶があります

一方、現在の情報処理安全確保支援士試験では、午後Ⅰと午後Ⅱが統合され、午後試験は150分の記述式試験となっています。

午後試験は4問中2問を解答する形式です。
午後Ⅰ・午後Ⅱに分かれていた頃と比べると、試験全体の所要時間は短くなっています。

ただし、午後試験で問われる内容が簡単になったというよりは、1つの午後試験の中で、問題選択や時間配分を自分で考える必要がある形式になったと考えた方がよさそうです。

また、2026年度からは、情報処理安全確保支援士試験もCBT方式での実施が予定されています

CBT方式への移行後は、従来の午前Ⅰ試験、午前Ⅱ試験、午後試験という名称が、それぞれ科目A-1試験、科目A-2試験、科目B試験に変更される予定です。

もっとも、試験区分そのものがなくなるわけではなく、情報処理安全確保支援士試験としては引き続き実施される予定です。

そのため、私の受験体験記では当時の「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」という表現が出てきますが、現在の制度で受験する場合は、午後試験の構成やCBT方式への移行予定を踏まえて読み替える必要があります。

この記事では、当時の受験体験はそのまま残しつつ、現在の制度と異なる部分については適宜補足していきます。

試験を受けるメリット

支援士試験を合格することによって得られるメリットを考えてみました。応用情報技術者に似通っている部分はありますが、大きな違いは支援士が士業の一つとして認められていることでしょうか。

登録すれば「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができる

先程も書きましたが、支援士は資格がなければ名乗ることのできない名称独占資格です。他の情報処理技術者試験に比べて、これは支援士にしかないメリットです。

また、支援士に登録することで、IPAが定めるロゴマークを使用できるようになります。ロゴマークを使えるのは登録された支援士本人あるいは支援士が所属する組織です。

ロゴマークの他に、弁護士や行政書士などの士業が持っているような徽章(ピンバッジ)も貸与を受けることができます。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

本音を言えば、貸与でなくて支給とか、購入できる方がいいのですが…

士業ということで、社会的信頼性も高く、やり方によっては資格保有による評価アップにつなげることも可能です。

ただし、登録には費用や講習の受講義務もあるため、試験に合格したからといって必ず登録しなければならないわけではありません。

私の場合も、まずは試験合格を目標として受験しました。
登録するかどうかは、今後の仕事でどの程度活用するか、維持費や講習をどう考えるかによって判断すればよいと思います。

情報セキュリティに関する深い知識を得ることができる

支援士は元情報セキュリティスペシャリストという名前で、ITの中でも特にセキュリティ関係に関して深い知識が試験において求められます。試験のために必要な知識は大別すると以下のとおりです。

  • 脅威とサイバー攻撃の手法
  • セキュリティ技術
  • セキュリティマネジメント
  • ソフトウェア開発技術とセキュリティ
  • ネットワーク
  • 国際標準・法務

試験合格、資格保有をすることによって、セキュリティに関して深い知識を持っているということを客観的に証明することができます。

定期的に知識がアップデートできる

支援士として登録した場合、資格を保持し続けるにあたっては定期的な更新が必要です。

更新にあたってはオンライン講習への参加や特定講習の受講が必要であり、資格保持のためには最新の知識を学び続けなくてはいけません。

裏を返せば、更新を続けることで進歩の早い情報技術について定期的に学ぶことができるということであり、一度取得したら終わりの他の試験に比べると、知識が陳腐化しにくいです。

他の情報処理技術者試験を受ける際に一部免除が受けられる

応用情報技術者、他の高度情報処理技術者試験にも共通していますが、支援士試験に合格した場合、他の高度情報処理技術者試験を受ける際、申請によって一部科目を免除することができます。

具体的には、2つある午前試験のうちITに関する共通知識を問う「午前I」を免除できます。

その分、受けたい試験の分野の勉強に集中できるので、試験合格を目指す人にとってはメリットです。

ただし、免除が有効なのは試験合格から2年間に限られます。例えば2022年秋の試験で支援士に合格できた場合、免除が有効なのは2024年秋の試験までとなります。

他の国家試験の一部免除がある

支援士試験に合格することで、他の国家試験において一部の科目を免除できます。

具体的には下記の科目において免除があります。

  • 弁理士(論文式筆記試験の選択科目「理工V」を免除)
  • 技術士(1次試験の専門科目「情報工学部門」を免除)
  • 中小企業診断士(1次試験の一部科目)
  • ITコーディネータ(ITC)試験(科目の一部免除、専門スキル特別認定試験受験資格)

こういった資格取得のための足がかりとするのもいいかもしれませんね。

資格保有により企業採用で有利になる場合がある

DX、デジタル化が叫ばれる昨今においては、ITスキルに対する需要は確実に伸びてきています。

IT技術に優れた人材を欲しがる組織というのは少なくありません。資格によってIT技術を持っていることを客観的に証明できるため、特にIT企業における採用で有利に働くことが考えられます。

また、下記にあげた職業のように、支援士資格保有が採用の条件になっている場合もあるようです。

  • 警視庁、一部県警
  • 自衛官(公募幹部・技術曹コース)
  • ものづくりマイスター「ITマスター」
  • 青年海外協力隊(PCインストラクター、コンピュータ技術隊員)

支援士のデメリット

情報処理安全確保支援士試験にはメリットも多いですが、一方で注意しておきたい点もあります。

現時点で独占業務はない

支援士は名称独占資格ですが、その一方で支援士でないとできない業務というものはありません

また、不動産事業所に必置義務がある宅地建物取引士のように、ITに携わる組織へ必置義務がある資格というわけでもありません

医師や弁護士のように、その資格がなければ特定の業務ができないという種類の資格ではないため、試験に合格したからといって、すぐに仕事の範囲が大きく変わるとは限りません。

そのため、資格そのものに即効性のある効果を期待しすぎると、少しギャップを感じる可能性があります。

ただし、今後の法改正によって変わってくる可能性は0ではありません。

現に、経済産業省では支援士の普及策の一環として必置化が検討されています(リンク先13番)。今後の進展には期待できそうですね。

登録しないと支援士を名乗ることはできない

支援士を名乗るためには、試験合格したあとに所要の手続きを経て登録することが必要です。いくら試験に合格していても、登録しないと支援士を名乗ることはできませんので注意してください。

もし、試験合格して未登録の状態で履歴書等に書きたい場合は「情報処理安全確保支援士試験合格」「情報処理安全確保支援士資格」あたりの書き方にするのが無難でしょう。

ちなみに、支援士を詐称すると30万円以下の罰金刑に処されます。

違反すると罰則を伴う法的義務がある

士業ということで、法的に義務を負うものがあります

  • 秘密保持義務
  • 信用失墜行為の禁止
  • 毎年の講習受講義務

信用失墜行為と受講義務違反は支援士の資格停止または取り消しの処分となります。

秘密保持義務に違反すると、資格停止または取り消しに加えて1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑に処されます。

偉かった人
偉かった人

いやー、私が昔支援士だったときに、◯◯社のシステムに携わることができたんだ。

ここだけの話だけど、そこのシステムって大きな脆弱性持っててね。修正にかかる費用が膨大すぎて未だに放置してるんだってさ。笑っちゃうよなぁ!

警察官
警察官

あのー、秘密保持義務は当該職を離れたあとでも同様に続くんですよ?

ちょっとこちらへお願いします。

取り消しを受けた場合はそこから2年間は再登録ができません。

非常に重い責任を負う資格であるということは留意しておきましょう。

登録、更新費用がかかる

試験に合格して支援士に登録する場合、登録手数料10,700円登録免許税9,000円計19,700円が必要になります。

また、支援士は3年ごとに更新が必要であり、更新のためにはオンラインによる共通講習を毎年受講し、更新期限の60日前までに「IPAが行う実践講習」または「民間事業者等が行う特定講習」を1回受講する必要があります。

オンライン講習は1回20,000円、IPAが行う実践講習は1回80,000~160,000円、民間事業者等が行う特定講習は事業者によって異なります。

つまり、資格維持のためには3年間で少なくとも14万円かかることになります。この額が高いとみるか安いとみるかは資格をどう活かすかによるでしょう。

登録セキスペとして活動する予定がある人や、会社が資格維持を支援してくれる人であれば、この費用を自己研鑽や専門性の維持に必要なものとして考えることもできます。

しかし、私のように「まずは試験合格を目標にする」という場合は、合格後にすぐ登録するかどうかは慎重に考えてもよいと思います。

国家資格として信頼性を保つための制度ではありますが、単に試験に合格して終わりという資格ではない点は、事前に知っておいた方がよいです。

難易度は高い

試験自体についても、難易度は決して低くありません。

情報処理技術者試験の中でも高度試験に位置付けられており、午前試験では幅広い知識が問われ、午後試験では長い問題文を読みながら、状況を整理して記述する力が求められます。

単純な暗記だけで突破するのは難しく、過去問演習を通じて、問題文の読み方や解答の作り方に慣れておく必要があります。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

試験の合格率は20%程度で推移しています

一方、他の高度情報処理技術者試験に比べると一番合格しやすい試験であるとも言われています。

参考までに、未経験者が支援士試験を受ける場合に必要な勉強時間は500時間程度といわれています。一方、実務経験があったり、情報学科出身などで基礎知識がある場合はより少ない時間となり、だいたい200時間程度になります。

情報処理安全確保支援士試験に向いている人

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティ分野に関心がある人に向いている試験です。

特に、応用情報技術者試験に合格した後、次にどの高度試験を受けるか迷っている人にとっては、有力な選択肢になると思います。
応用情報技術者試験でもセキュリティ分野は出題されますが、情報処理安全確保支援士試験では、より深く、より実践的な形でセキュリティについて問われます。
そのため、応用情報で学んだ知識をさらに発展させたい人には相性がよい試験です。

また、仕事でシステム開発、インフラ運用、ネットワーク管理、社内SE、情報システム部門などに関わっている人にも向いています

セキュリティ専任の担当者でなくても、現在は多くの業務で情報セキュリティへの理解が求められます。

たとえば、社内システムの運用、外部サービスの利用、アカウント管理、委託先管理、インシデント発生時の初動対応など、セキュリティに関わる場面は意外と多いです。

そうした業務に関わる人にとって、情報処理安全確保支援士試験の勉強は、実務上の判断材料を増やすことにもつながります。

さらに、単にITの知識を増やしたいだけでなく、「なぜその対策が必要なのか」を考えたい人にも向いています。

この試験では、用語を知っているだけでは対応しきれない問題も多く出題されます。
問題文を読みながら、システム構成や業務上の制約、攻撃の流れ、対策の妥当性を考える必要があります。

そのため、暗記中心の勉強よりも、問題文を読み解きながら考える勉強が好きな人には取り組みやすい試験だと思います。

一方で、資格を取ればすぐに仕事が大きく変わることを期待している人や、登録後の費用や講習義務を負担に感じる人は、少し慎重に考えた方がよいかもしれません

もちろん、試験に合格すること自体にも意味はあります。

しかし、登録セキスペとして資格を活用したい場合は、登録制度や維持費、講習義務も含めて考える必要があります

ジョンどぅ
ジョンどぅ

私自身は、まずは応用情報技術者試験の次に挑戦する高度試験として、
情報処理安全確保支援士試験を受験しました

セキュリティ分野は、ITに関わる仕事をしていれば避けて通りにくい分野です。

その意味では、セキュリティを専門にしている人だけでなく、IT知識を一段深めたい人にも向いている試験だと思います。


この記事では、私が受験した当時の情報を残しつつ、現在の制度についても補足しました。

私自身の受験体験記はコチラです。

今回の所はこの辺で。

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