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第3級アマチュア無線技士試験奮闘記~試験の概要~

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スキルの話

近頃は無線関係の資格取得を通じて、アマチュア無線にも興味を持つようになりました。
その時点で持っている資格で扱えたのは4級アマチュア無線相当のものだったのですが、思い切ってワンランク上の3級アマチュア無線技士を受けてみることにしました。

この記事では、第3級アマチュア無線技士の概要や、メリット・デメリットについて書いていきます。

資格の概要

第3級アマチュア無線技士(長いので以降は3アマと略する場合があります)とは、電波法で定められている無線従事者資格の一つであり、簡単に言えば「一定規模までのアマチュア無線局の操作ができる免許」のことです。

法令には、以下のように記されています。

第三条(操作及び監督の範囲) 第3級アマチュア無線技士部分抜粋

  • アマチュア無線局の空中線電力五十ワット以下の無線設備で十八メガヘルツ以上又は八メガヘルツ以下の周波数の電波を使用するものの操作
e-Gov 法令検索 電波法施行令
ジョンどぅ
ジョンどぅ

例によって、補足説明をします。

「無線設備の操作」には大きく分けて「通信操作」「技術操作」があります。

「通信操作」とは、マイクロホン等を使って実際に通信を行う操作のことです。簡単に言えば、マイクで音声を発したり、レーダー電波を発信したりと、実際に電波を出して行う操作です。

「技術操作」とは、通信操作に対応して、無線設備の調整及びこれに付随する操作です。これは無線設備についているスイッチ類の操作や電子回路の調整などが含まれています。

上に示しているように3アマの操作範囲では「操作」となっているため、通信操作も技術操作も包括しでできるということになります。

これを踏まえてまとめると、3アマの操作範囲はおおよそ以下のとおりです。

3アマは、

  • 空中線電力50W以下
  • 使用周波数が8MHz以下または18MHz以上

のアマチュア無線局を操作できる免許です。

ちなみに、アマチュア無線局の免許をみると、移動範囲には陸上だけでなく、海上や上空も含まれており、業務無線局に比べると幅広い範囲での使用ができます。

ジョンどぅ
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もちろん、免許上では可となっていても、別の枠組みでアマチュア無線局の使用が制限される場所はありますので、注意しましょう。

加えて、4級アマチュア無線技士では通信操作の範囲に「モールス符号による通信操作を除く」とあり、モールス符号は使えませんでしたが、3アマではその文言もなく、つまりはモールス符号も使えるようになります。

3アマのメリット

ここからは、3アマを取ることのメリットを書いていきます。
下位資格である第4級アマチュア無線技士(以下、4アマと書くことがあります)の比較も踏まえたメリットに焦点をあててみました。

4アマに比べて使える範囲が大幅に広くなる

4アマの場合、使える空中線電力は最大でも20Wまでですが、3アマでは50Wまで使えるようになります。
移動運用できる無線局で許可される空中線電力の最大値は50Wですので、移動運用をメインとしたい方は3アマがあれば十分です。

また、周波数帯も4アマでは使えなかった18MHz~21MHzが使えるようになります。

ジョンどぅ
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この帯域は短波(HF)帯と呼ばれていて、使い方や環境によっては
地球の裏側まで届く特性があります。

そして一番大きいのは、モールス符号が使えるようになることです。

モールス符号は、簡単に言えば短音と長音の組み合わせでメッセージのやり取りをするものです。通信技術が発達した今では使われるシーンがかなり減りましたが、単純で安価な手段なことに加えて雑音や混信にも強いため、今でも遠洋漁業の通信や軍用通信などに用いられています。
レガシーな通信方法ではありますが、アマチュア無線界隈でも盛んに使われているものなのです。

習得するまでがかなり大変ではありますが、使えるようになると楽しくなってくると思います。

取得が比較的容易

3アマの資格は取得はそこまで難しくありません。その理由は2つ挙げられます。

1つ目は、4アマと比べても試験の難易度がそこまで高くないことです。詳しくは難易度の項目で記載しますが、しっかり対策すれば無線初心者でも受かることはできます。

2つ目は、試験形式がCBT方式のため、全国の会場で随時受験ができることです。筆記試験方式のものであれば、試験会場はある程度限られ、時期も年数回のチャンスを狙って受けることになりますが、3アマはCBTのテストセンターが近くにあれば、手軽に受験することができます。

アマチュア無線技士の試験を受けるのであれば、思い切って3級からチャレンジするのもアリだと思います。

3アマのデメリット

続いては、3アマのデメリットを書いていきます。
もちろん、資格を取ることで不利益を被るようなことはありません。

営利業務用途には使えない

アマチュア無線技士が取り扱える「アマチュア無線局」とは、電波法の中では「個人的な趣味によって無線通信を行うために開設する無線局」と示されています。

また、アマチュア無線局に許可される業務は「アマチュア業務」となっており、これは電波法施行規則において「金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務」とされています。

そして、電波法では以下のように目的外使用を禁止しています。

第五十二条(目的外使用の禁止等)

無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。
ただし、次に掲げる通信については、この限りでない。

  1. 遭難通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥つた場合に遭難信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
  2. 緊急通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥るおそれがある場合その他緊急の事態が発生した場合に緊急信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
  3. 安全通信(船舶又は航空機の航行に対する重大な危険を予防するために安全信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
  4. 非常通信(地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために行われる無線通信をいう。以下同じ。)
  5. 放送の受信
  6. その他総務省令で定める通信

アマチュア無線局の免許では、アマチュア無線局とのアマチュア業務以外の通信を行うことは原則できません。

例外的にアマチュア無線局が使えるケースは、上にも書いているような非常通信の場合であったり、「その他総務大臣が別に告示する業務」として非営利の社会貢献活動での活用などがあります。こちらは使用前にしっかりと確認してください。

アマチュア無線を営利業務目的で使用することは違法です。
もし違反した場合は1年以上の懲役または100万円以下の罰金刑を受けることになる上、無線局免許あるいは無線従事者免許の取り消しや停止処分を受けることになります。

無線機をオンにしているとトラックやダンプのドライバーと思われる人の通信が聞こえてくることがあります。
これは通信に関係する全員が無線従事者免許と無線局免許を取得したうえ、定められた周波数で定められた要領に基づいて営利業務に関係ない雑談をする分には問題ありませんが、コールサインを言わなかったり業務連絡に使うとアウトな行為になります。

ジョンどぅ
ジョンどぅ

なお、業務通信とばれないように隠語などを使うことも考えられますが、そもそもアマチュア業務においては隠語の使用自体が法で禁止されています。

就職などにはほぼ役立たない

アマチュア無線技士はあくまで趣味のための資格であるため、業務で活用することはできず、就職活動や転職活動で役立つ可能性は非常に低いです。

2級や1級であれば、ある程度の無線の知識があることの証明にはなりますので、通信業界あたりで多少考慮される可能性は否定しませんが、それでもあまり期待しない方がいいでしょう。ましてや3級だとそこまで難易度も高くありませんので、なおさら期待薄です。

就職活動や転職活動に使いたいのであれば、無線通信士や無線技術士、特殊無線技士の資格取得を検討してください。

3アマ試験の難易度

3アマの試験では、「無線工学」と「法規」の2科目が出題されます。

合格点は無線工学では70点満点に対し45点以上、法規は80点満点に対し55点以上です。

ちなみに、3級以上のアマチュア無線技士試験ではモールス符号に関する電気通信術の試験がありましたが、3アマでは平成17年以降、平成23年以降は2・1級からも電気通信術試験が廃止され、法規の科目内でモールス符号の理解に関する問題が出題されるようになりました。

一般的な合格率は75~80%程度で推移しており、合格は比較的容易です。

科目合格制度はありませんが、そこまで難しい試験ではないので、取得する際は一発で行けるよう準備しましょう。


さて、以上のとおり第3級アマチュア無線技士試験についてまとめてみました。

次の記事では私の受験体験記を書いていきます。

今回のところはこの辺で。

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