前の記事の続きです。
前記事では第3級アマチュア無線技士(長いので、以降3アマと略する場合があります)の特徴やメリット、デメリットを書いてきました。
この記事では、実際に私が3アマの試験を受けた体験記を書いていきます。
アマチュア無線の世界に対する興味
以前航空無線通信士の資格を取得してから、そこに付随する4級アマチュア無線技士の範囲で免許申請をして、アマチュア無線機を使うようになっていました。
実際に無線機を使用して、自宅や旅先で通信を楽しんでいるうちに、この世界に対する興味が深くなっていったものです。
しかし、4級の範囲では使える空中線電力や周波数帯に制限がありました。

4級でも結構楽しんではいるけど、もっと大出力にしたり、
モールス信号も使ってみたくなってきたな・・・
ということで、アマチュア無線局の操作範囲を拡大すべく、3アマの受験を決意しました。
受験の申し込み
3アマの試験は2陸特と同様のCBT方式であり、指定の試験センターに受験しに行く形となります。
ちなみに、CBT方式で受験できる無線従事者資格試験は以下のとおりです。
- 第二級陸上特殊無線技士
- 第三級陸上特殊無線技士
- 第二級海上特殊無線技士
- 第三級海上特殊無線技士
- 第三級アマチュア無線技士
- 第四級アマチュア無線技士
これ以外の試験は通常の試験方式なので、受験時期を考える必要があります。
申し込みは「CBTソリューションズ」というサイトで行います。初めての方はユーザーアカウントを作成するところからスタートです。
アカウントを作成したら、「CBT申込」から受験申し込みを行います。
この際、受験票に添付される用の顔写真データが求められますので、あらかじめ用意しておきましょう。
顔写真は原則4か月以内に撮影されたものである必要があり、そのほかにもいろいろ要件が決まっています。
詳しくは日本無線協会のページに書かれているので、確認してみましょう。
写真を登録したら、続いて受験科目を選択し、受験場所の選択に移ります。
受験場所は自分が受けに行くのに都合のいい試験センターを選択すればいいでしょう。
試験希望日の選択画面も出てきますので、受験希望日を選択していきます。

センター側に空きがない日などはもちろん選択できません
試験料金の支払いにはコンビニ払いやクレジットカード、ペイジーが使用できます。
3アマの試験料は5,400円+手数料308円です
試験料金まで納めたら、申し込みは完了です。あとは試験日に向けた準備を進めていきます。
試験に向けた勉強
申し込みが済んだので、あとは本番に向けた勉強です。
本屋に足を運んで参考書を探してみた結果、「第3級ハム 集中ゼミ」を使うことにしました。

出題範囲が網羅されているようなら、
必ずしもこの本でなくても大丈夫だと思います。
3アマの出題範囲は無線工学と法規の2科目です。また、法規の出題科目の中で新たにモールス信号の送受信に関する問題が追加されています。
2陸特の時に比べると、無線工学は少し内容が難しく感じましたが、法規はモールス符号に関する問題が増えたほかはほぼ同じでした。
モールス符号に関しては新しく学ぶ内容だったので、まずは英文のモールスを覚えるようにしました。
なお、モールス信号の問題は以下のように、文字を正しくモールス符号化したものを4択から選ぶ方式で出題されます。
例題:「TOKYO1」をモールス符号で表したものは、以下のうちどれか。
- ー ーーー ー・- ー・・- ーーー ー・・・・
- ー ーーー ー・・- ー・-- ーーー ・----
- ー ーーー ー・- ー・-- ーーー ・----
- ー ーーー ー・・- ー・-- ーーー ー・・・・
正解:3
出題形式を踏まえると、文字から符号への変換だけ覚えれば攻略は容易となります。
「モールスは難しいから得点を捨てて、他の問題で点数を稼ぐ」と考える人もいるかもしれませんが、文字から符号の変換だけであればそこまで難しくはありません。覚えられれば得点源にできますから、臆せずにチャレンジしてみましょう。
私がモールスの学習に使ったのは、文字とモールス符号の長短符を視覚的に表示させたイラストです。
Google画像検索で「Morse Code Visual」などのキーワードで探すとリンク先のような画像がたくさん見つかりますので、自分にしっくり来たものを使うといいでしょう。
一通り本を読み終え、モールスを覚えたら、過去問演習を進めていきます。
過去問演習では、「アマチュア無線技士3級問題集」というサイトを活用しました。

3アマも2陸特同様、過去問をとにかく解いておけば
ほぼ対応できます。
試験当日
試験当日になりました。
CBT方式の試験なので、近場で受けられるというのはメリットです。私は家から公共交通機関で30分程度の試験会場に申し込んでいました。

私の選んだ会場は近くに駐車場がないようだったので、
車は使わないことにしました。
CBTでの受験に際し受験票は発行されないため、持参の必要はありません。その代わり受付時に本人確認を行うので、免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類を忘れずに持っていきましょう。
その他の持ち物も特に必要ありません。
さて、試験会場に到着したら受付でチェックインです。本人確認を行い、注意事項の説明を受けたら試験室に入室し、試験開始となります。
私は試験開始時間の15分前くらいに到着しましたが、チェックインしたらそのまま時間を待たずに試験開始となりました。
なお、試験室には指定の筆記用具と計算用紙以外を持ち込むことはできず、すべて受付近くのロッカーに預ける必要があります。

腕時計やハンカチなども、すべて預けます。
試験室に入ったら、指定されたパソコンを使用して試験開始です。なお、試験室内に試験官はいませんが、不正防止のため複数台のカメラによって監視されています。変なことは考えないようにしましょう。
3アマの試験時間は70分で、問題数は無線工学14問・法規16問の計30問です。合格基準は無線工学9問以上、法規11問以上正解です。
試験の内容は、2陸特と同様にほぼ過去問と同じものが出てきたので、特に難しく考えることなく解くことができました。
モールスの出題についても、変換を覚えていたので特に苦労することなく解けました。
全部解答を終えたら試験終了し、退出できます。実際にすべて回答するのにかかった時間は15分程度でした。
試験終了すると、受付でスコアレポートがもらえます。この時点で5点×30問=150点中145点だったので、まず間違いなく合格圏ということはわかりました。
試験終了後
試験日から約1週間後、合格発表のメールが届きました。
試験結果は予想どおり合格だったため、引き続き無線従事者免許申請を進めていきます。
メールには合格通知とともに、免許申請書のリンクも記されているので、そこから指示に従ってダウンロードし、印刷します。
ちなみに、このデータを使わずに総務省電波利用ホームページから様式をダウンロードしてきて使っても、必要事項が満たせれば問題はありません。
免許申請に際し、必要なものは以下のとおりです。
- 無線従事者免許申請書
- 氏名および生年月日を証する書類
- 手数料(1750円分の収入印紙)
- 写真(申請書にデータで貼り付け済)
- 返信先を記載し、切手を貼付した返信用封筒(免許証の郵送を希望する場合)
「氏名および生年月日を証する書類」に指定されているのは、住民票の写し、戸籍抄本、印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書のみです。マイナンバーカードは珍しく使えないようです。
または、住民票コード、無線従事者免許証、電気通信主任技術者資格者証、工事担任者資格者証を持っている人はその番号を所定欄に記載することで、書類の添付が省略できるようです。

今回は航空無線通信士の免許証が届いていたので、
その番号を記載しました。
収入印紙は郵便局で購入できます。各自治体の発行している収入「証紙」は全く異なるものなので、間違えないようにしてください。
返信用封筒は、免許証を郵送で受け取る場合には併せて送付する必要があります。封筒がない場合は各地域の総合通信局で手渡しで受け取ることになります。
普通郵便でも問題はありませんが、不安な方は簡易書留などを追加してもいいでしょう。
免許申請書を提出してから免許が手元に届くまではだいたい1~2か月ほどかかるので、気長に待ちましょう。
航空無線通信士は申請から5週間、2陸特は8週間ほどかかっていたので、そのくらいの時間を見越して待つことにしました。
そして申請から8週間後、手元に3級アマチュア無線技士の免許証が届きました。

他の免許証同様、プラスチック製で富士山のホログラムが入った豪華な感じの免許証です。
免許の証明者は2陸特同様に総合通信局長ですが、英訳部分はあるようです。
これにて3アマの免許が取得できました。アマチュア無線がだんだんと楽しくなっていきそうです。
引き続き、色々と挑戦をしていきたいところです。
今回のところはこの辺で。
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