前回の記事の続きです。
この記事では、航空無線通信士試験を実際に受験した体験をもとに、申し込みから勉強方法、試験当日の流れ、英語・電気通信術の注意点、合格後の免許申請までをまとめます。
特に、英語試験と電気通信術は事前に雰囲気を知っておくだけでもかなり不安が減るため、これから受験する方の参考になれば幸いです。
受験の申し込み
私が航空無線通信士の受験を決めた時点で、ある程度まとまった勉強時間を確保したうえで受験できそうだったのは8月期の試験でした。
受験の申し込みについては、日本無線協会のHPからできます。
なお、一部の無線従事者資格はCBT方式で随時受験できるようになっていますが、航空無線通信士はCBT方式の対象外です。
そのため、決められた試験日に会場へ行って受験する、一般の国家試験として申し込む必要があります。
受験料は2024年12月時点で9,300円+手数料220円です。
申請受付期間は、試験期日の2か月前の月の1日から20日までです。

8月期の試験であれば、申し込み期間は6月1日から20日までです。
申し込み期間が短いので、受験を考えている場合は早めに予定を確認しておきましょう。
申し込み時には、氏名や住所などの基本情報の入力に加え、顔写真の電子登録が必要になります。
スマホで撮影した写真でも申請自体はできますが、背景やサイズなどの規格に合わないと受験に支障が出る可能性があります。申し込み前に、日本無線協会の案内を確認して、規格に合った写真を用意しておくと安心です。
試験手数料は、令和8年度案内では9,300円で、これに振込手数料220円がかかります。
支払方法は、クレジットカード、コンビニエンスストア、ペイジーから選択できます。
受験場所は、東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、輪島市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、那覇市などが設定されています。
ただし、輪島市は2月期の航空無線通信士のみとされているため、受験する時期によって選べる試験地が変わる点には注意が必要です。
特に地方在住の場合、試験会場までの移動や宿泊が必要になることもあります。私も東京会場を選んだため、試験そのものだけでなく、移動や宿泊の計画もあわせて立てることになりました。
申し込みが完了すると、試験日の約1か月前に受験票がメールで届きます。
受験票は郵送ではなく、メールで届いたものを自分でA4用紙に印刷して、試験当日に持参する形になります。
自宅にプリンターがない場合は、コンビニプリントなどを利用して、忘れずに印刷しておきましょう。
試験に向けた勉強
試験の申し込みが終わったら、いよいよ当日に向けて勉強を進めていきます。
航空無線通信士の試験科目は、無線工学、法規、英語、電気通信術の4科目です。
このうち、無線工学と法規は過去問演習の効果が比較的出やすい科目です。一方で、英語と電気通信術は単純な暗記だけでは対応しにくく、ある程度慣れが必要になると感じました。
航空無線通信士の参考書は、それほど種類が多くありません。
「情報通信振興会」から標準教科書も出ていますが、こちらは試験範囲を体系的に学ぶにはよい一方で、試験に出る可能性が低い部分まで広く扱っています。
時間をかけてしっかり学ぶのであれば標準教科書もよいと思いますが、私の場合は限られた期間で合格を目指したかったため、効率重視で「やさしく学ぶ 航空無線通信士試験」を使うことにしました。

上記に一応リンクは貼ってますが、売り切れてしまうことも少なくないようです。
この本は、試験に出やすい部分を中心にまとめられているため、まず全体像をつかむには使いやすかったです。
参考書を一通り読んだ後は、過去問演習に移りました。
日本無線協会のホームページでは、過去に出題された試験問題と解答が公開されています。
無線工学と法規については、まず過去問を解いて、間違えた問題や自信のなかった問題を参考書で確認する、という流れで勉強しました。
特に無線工学は、計算問題や電波航法、無線設備に関する問題が出てきますが、過去問を繰り返していると、よく問われるポイントが少しずつ見えてきます。
法規についても、電波法や無線局、無線従事者、運用に関する問題が中心なので、過去問で出題パターンに慣れておくことが大切です。
一方で、英語は少し注意が必要です。
英語試験はリスニングとリーディングに分かれており、一般的な英語力に加えて、航空関係の単語や表現に慣れているかどうかも重要になります。
過去問は出題傾向を知るためには役立ちますが、同じ問題がそのまま出ることを期待するより、航空関係の用語や英文に慣れるための材料として使う方がよいと思います。

英語が得意な人でも、航空関係の用語に慣れていないと戸惑う場面があるかもしれません。
電気通信術については、フォネティックコードに慣れておくことが重要です。
私の場合、もともとフォネティックコードに触れる機会があったため、この部分はそれほど時間をかけずに済みました。
ただ、初めて学ぶ方の場合は、アルファベットを見た瞬間に「Aならアルファ、Bならブラボー」と自然に変換できるくらいまで練習しておくと安心です。
道端の看板や車のナンバー、商品名など、身の回りにあるアルファベットをフォネティックコードで読んでみるだけでも、よい練習になります。
過去問演習にはスマホアプリも使いました。
私はAndroidユーザーだったので、アプリを検索した結果、hayasystemさんの「航空無線通信士」を使いました。
このアプリは無料アプリですが、広告を見ることで回答可能な問題数が増えるタイプのものでした。時間の空いたタイミングで広告を流して問題数を一気に増やし、まとめて問題演習ができるようにして使っていました。
机に向かって参考書を読む時間とは別に、通勤時間やちょっとした空き時間で問題演習を進められるのは、かなり助かりました。
航空無線通信士試験は、無線工学と法規だけでなく、英語と電気通信術もあるため、勉強のバランスが大切です。
無線工学と法規は過去問で得点源にしつつ、英語と電気通信術は早めに慣れておく。
私の場合は、この方針で勉強を進めていきました。
試験当日~1日目~
そうしているうちに試験日になりました。
航空無線通信士試験は、筆記試験と電気通信術が別日程で行われます。
私が受験したときは、1日目に無線工学、法規、英語の3科目を受験し、2日目に電気通信術を受ける流れでした。
会社には有休を申請して休みを取り、試験後に宿泊するホテルも確保したうえで出発しました。
受験場所は東京を選んだため、朝早めの電車に乗って東京へ向かいます。
1日目の試験会場は日本無線協会のビルでした。
晴海のあたりにあるため、最寄り駅からは少し歩くことになります。地方から受験する場合は、電車の遅延や会場までの移動時間も考えて、少し余裕を持って向かう方が安心です。
試験会場に持っていったものは、受験票、筆記用具、消しゴム、電気通信術用のボールペンです。
1日目の筆記試験はマークシートなので、シャープペンシルと消しゴムがあれば対応できます。
一方で、2日目の電気通信術では素早く文字を書く場面があるため、私は念のためボールペンも持参しました。

筆記用具は予備も含めて用意しておくと安心です。
試験本番でシャーペンの芯が切れたり、消しゴムを忘れたりすると、余計なところで焦ります。
会場内では、受験番号ごとに座るエリアが指定されていました。
ただし、私が受験したときは席そのものまでは指定されておらず、指定されたエリア内であれば到着順に好きな席へ座る形でした。
試験開始前には説明があるため、試験開始の15分前までには着席しておく必要があります。
ギリギリに到着すると、落ち着いて受験準備をする時間がなくなってしまうため、早めに会場入りしておくことをおすすめします。
無線工学
最初の科目は無線工学です。
私が受験したときは、9時30分から試験が始まりました。
出題範囲は、
- 電気物理
- 電気回路
- 半導体
- 電子回路
- 通信方式
- 送受信機
- 電波航法と航法無線装置
- 電源
- 空中線及び給電線
- 電波伝搬
から全部で14問出題されます。
計算問題も出題されますが、すべてマークシート形式です。
分からない問題があっても空欄にはせず、最後まで解答することが大切です。

どうしても分からない問題があっても、マークシートなら最後まで粘れます。
もちろん、そこに頼りすぎないように過去問演習はしっかりやっておきましょう。
出題内容としては、過去問で見たことのある形式が多く、しっかり過去問演習をしていれば大きく崩れる科目ではないと感じました。
ただし、新しい問題や見慣れない聞かれ方をする問題も出る可能性はあるため、丸暗記だけでなく、最低限の考え方も押さえておくと安心です。
試験時間は1時間30分で、試験開始から45分経過すると退出できるようになります。
見直しまで終わって十分だと思えば、途中退出して次の科目に備えるのも一つの方法です。
ただし、退出後は廊下などで待機することになるため、他の受験者の迷惑にならないよう静かに過ごしましょう。
法規
続いて、法規の試験です。
私が受験したときは、11時20分から始まりました。
出題の内容は、
- 電波法の概要
- 無線局の免許
- 無線設備
- 無線従事者
- 運用
- 業務書類等
- 監督
- 国際法規
ただし、条文や制度の細かいところを問われることもあるため、過去問で出てきた内容は確実に押さえておきたいところです。
航空無線通信士は、航空関係の無線通信に関わる資格なので、一般的な電波法の知識に加えて、航空通信に関係する運用や国際法規も意識しておくとよいと思います。
法規の試験が終わると、昼休みに入ります。
私が受験したときの試験会場内は飲食禁止で、食事は廊下や屋外でとるようになっていました。
昼休み中に落ち着いて食事をとれる場所が必ずあるとは限らないため、昼食は軽めに済ませられるものを用意しておくと安心です。
英語
午後からは英語の試験です。
航空無線通信士試験の中でも、英語は一つの大きな関門になる科目だと思います。
英語試験は、リスニングとリーディングの2パートに分かれています。
まずはリスニングから始まります。
リスニング試験中にスマホや時計のアラーム、バイブレーションなどが鳴ると、不正行為や試験妨害として扱われる可能性がある旨の注意が何度もありました。
音の出る機器は、電源を切る、アラームを解除するなど、試験前に必ず確認しておきましょう。
リスニングは全7問出題されました。
内容としては、一般的な話題に加えて、航空業界に関係する内容も出てきます。
問題文は音声で読まれ、解答の選択肢は問題用紙に記載されています。
一般的な英会話の問題であれば、内容を聞き取ることができれば対応できます。
ただ、実際の試験では比較的自然な英語の発音で流れるため、普段から英語の音声に慣れていないと、思ったより聞き取りにくく感じるかもしれません。
また、航空関係の内容については、英語力だけでなく航空用語の知識が必要になる問題もあります。
例えば、
When the ATC controller says, “Climb and maintain 370,” what has to be maintained?
(管制機関から「370に上昇し、維持せよ」と言われたら、何を維持しなくてはならない?)令和6年8月リスニング試験 第5問 (日本語訳は筆者追記)
- Bearing(針路)
- Flight Level(フライトレベル)
- Destination(目的地)
- Ground Speed(対地速度)
この問題の場合、Climb(上昇)という単語があるので飛行高度のことを示しているのは何となくわかるかもしれませんが、選択肢の中にはAltitude(高度)という単語がそのまま出てくるとは限りません。
答えは2番の「Flight Level」です。
航空業界では、高度のことを「フライトレベル(FL)」という場合があり、問題文にある「370」というのは、正しくは「FL370」を表しています。フライトレベルというのは、3桁の数字×100フィートの高度になるため、FL370は37,000フィート(約11,300m)を表しています。

ちなみに、この高度も対地高度というわけではないのですが、
解説すると長くなるのでこの辺にしておきます。
このように、ある程度航空関係の知識が問われる問題が出てくるため、受験前に航空関係の用語を学んでおく方がいいです。
リスニングが終わったらそのままリーディングの試験に移行します。
なお、リスニングの解答用紙はリスニング終了時点で回収されてしまい、後で手直しすることはできませんので注意してください。
リーディングの試験では、一般的な長文読解の問題と、航空法規に基づいた問題、和文英訳の問題から大問で5問、小問にすると12問程度出題されます。
リーディングでも航空関係の用語や知識が問われる場面があります。
英語試験については、無線工学や法規のように過去問と同じ問題がそのまま出ることを期待するより、出題形式や難易度を確認するために過去問を使い、あわせて英語そのものの読解力・リスニング力を補強しておく方がよいと感じました。
特に、航空関係の単語や言い回しに慣れておくと、試験本番での戸惑いはかなり減ると思います。
試験時間は、リスニングが30分、リーディングが1時間30分でした。
問題数に対して時間は比較的余裕があるため、焦らず落ち着いて解いていきましょう。

これで1日目の試験は終了です。
問題用紙は持ち帰ることができるため、解答を控えておけば、試験後に自己採点することもできます。
私も試験後、ホテルでさっそく自己採点をしてみました。
この時点で、おそらく合格圏内には入っていそうだと確認できたため、少し安心して2日目の電気通信術に向かうことができました。
試験当日~2日目~
2日目は、電気通信術の試験です。
私が受験したときは、1日目とは会場が変わり、2日目の会場は「TOC有明」でした。

東京ビッグサイトのすぐ近くです。
いわゆる“聖地”の近くですね。
私の指定された試験時間は13時からだったため、朝はかなり余裕がありました。
ホテルのチェックアウト時間まではのんびり温泉につかり、少し早めに会場へ向かいました。
ただし、2日目の試験時間は受験者によって異なります。
13時からの場合もあれば、9時30分からの場合もあります。場合によっては、1日目の午後に電気通信術を受けられることもあるようです。
もっとも、受験者が自分で時間を選べるわけではありません。
そのため、航空無線通信士を遠方から受験する場合は、試験日程に合わせて宿泊や帰りの交通機関を少し余裕を持って組んでおく方が安心です。
電気通信術
2日目に行われる電気通信術は、フォネティックコードを使った受話と送話の試験です。
航空無線では、音声だけで文字を伝える場面があります。
普通にアルファベットを読むだけだと、「M(エム)」と「N(エヌ)」、「D(ディー)」と「T(ティー)」のように、発音が似ていて聞き間違えやすい文字があります。
航空の現場でこうした聞き間違いが起きると、安全に関わる問題につながる可能性があります。
そこで使われるのが、フォネティックコードです。
例えば、Mは「マイク」、Nは「ノベンバー」、Dは「デルタ」、Tは「タンゴ」のように、アルファベットごとに決まった単語で読み上げます。
これにより、似た音の文字でも聞き分けやすくなります。
フォネティックコードは、以下のような対応になっています。
| A | アルファ | N | ノーベンバー |
| B | ブラボー | O | オスカー |
| C | チャーリー | P | パパ |
| D | デルタ | Q | ケベック |
| E | エコー | R | ロメオ |
| F | フォックストロット | S | シエラ |
| G | ゴルフ | T | タンゴ |
| H | ホテル | U | ユニフォーム |
| I | インディア | V | ヴィクター |
| J | ジュリエット | W | ウィスキー |
| K | キロ | X | エックスレイ |
| L | リマ | Y | ヤンキー |
| M | マイク | Z | ズールー |
電気通信術の試験では、このフォネティックコードを使って、受話と送話の両方を行います。
受話は、読み上げられるフォネティックコードを聞き取り、対応するアルファベットを解答用紙に書いていく試験です。
送話は、紙に書かれたアルファベットを、フォネティックコードで試験官に向かって読み上げる試験です。
私の場合は、もともとフォネティックコードに触れる機会があったため、この科目に大きな不安はありませんでした。
ただ、初めて学ぶ方であれば、Aを見たらすぐに「アルファ」、Bを見たらすぐに「ブラボー」と出てくるくらいまでは練習しておいた方がよいと思います。

ある程度覚えたら、道端の看板や車のナンバー、商品名などをフォネティックコードで読んでみるのも、手軽な練習になります。
まずは受話試験から行われました。
受話試験では、2分間で100文字分のフォネティックコードが読み上げられます。
その音声を聞き取り、解答用紙にアルファベットで記入していきます。
2分で100文字なので、ペースはそれなりに速いです。
しかも、送話が終わったらすぐに試験終了となり、解答用紙も回収されます。
後からゆっくり見直して直す時間はありません。
そのため、聞き取った文字を素早く、かつ試験官が読める字で書くことが重要です。
ここで怖いのは、筆記用具のトラブルです。
シャープペンシルの芯が折れたり、ボールペンがかすれたりすると、それだけでかなり焦ります。
電気通信術ではボールペンや万年筆も使用できますので、途中で書けなくならない信頼できる筆記用具を用意しておくことをおすすめします。

個人的には、普段から使い慣れていて、かすれにくいボールペンを持っていくのが安心だと思います。
受話試験が終わると、次は送話試験です。
送話試験では、受験者がグループごとに分けられ、試験官に呼ばれた人から一人ずつ試験を受けます。
試験官に呼ばれると、アルファベット100文字が書かれた紙を渡されます。
その文字列を、フォネティックコードで読み上げていく形式です。
試験時間は2分間なので、ゆっくりしすぎると最後まで読み切れません。
一方で、早口になりすぎると発音が不明瞭になり、聞き取りにくくなります。
そのため、送話では「速さ」と「明瞭さ」のバランスが大切です。
問題文は、5文字ごとに区切られたランダムなアルファベット列になっています。
例えば、次のようなイメージです。
(始めます。本文)
A K D E B W G I C Q I S F Z P ・ ・ ・ ・ ・
(100文字続く) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ W F I C V
(終わり)
実際の試験では、これを次のように読み上げていきます。
始めます。本文
アルファ、キロ、デルタ、エコー、ブラボー。
ウィスキー、ゴルフ、インディア、チャーリー、ケベック
インディア、シエラ、フォックストロット、ズールー、パパ
……
ウィスキー、フォックストロット、インディア、チャーリー、ヴィクター
終わり
試験時間は「本文」から「終わり」まででカウントされます。

5文字送話したら少しだけ区切って、また5文字ずつ送話していきます。
もし、送話の途中で間違えたときは「訂正」といい、間違った文字の2~3字前から再送していきます。
なお、電気通信術は100点から始まる減点方式であり、減点には基準があります。
| 採点区分 | 点数 | |
| 送信 | 誤字、脱字、冗字 | 1字ごとに3点 |
| 発音不明瞭 | 1字ごとに1点 | |
| 未送話字数 | 2字までごとに1点 | |
| 訂正 | 3回までごとに1点 | |
| 品位 | 15点以内 | |
| 受信 | 誤字、冗字 | 1字ごとに3点 |
| 脱字、書体不明瞭 | 1字ごとに1点 | |
| 抹消、訂正 | 3字までごとに1点 | |
| 品位 | 15点以内 |
特に注意したいのは、「品位」の項目です。
試験態度のほか、訂正が多すぎる場合や、不明瞭な発音を繰り返す場合などに減点される可能性があります。
電気通信術の合格点は、送受信ともに100点満点中80点以上です。
そのため、多少のミスがあってもすぐ不合格になるわけではありませんが、焦って崩れると一気に減点が増える可能性があります。
完璧に読もうとしすぎるよりも、落ち着いて、明瞭に、一定のテンポで進めることが大切です。
そして、いよいよ私の順番が回ってきました。

始めます。本文。
アルファ、リマ、ホテル、ゴルフ、エコー……
終わり。

おっ、いい速度だねぇ。
ただ、「フォックストロット」の発音がちょっと不明瞭になりがちだね。
まあ、大きな問題じゃないけど。

はい、ありがとうございました。
(Fだけちょっと言いづらいんだよなぁ)
こんな感じで送話試験は終了しました。
試験が終わった後は、特に全員で集まることはなく、そのまま解散になります。
電気通信術は、試験時間そのものは短いですが、独特の緊張感があります。
ただ、フォネティックコードに慣れていて、落ち着いて受話・送話ができれば、必要以上に怖がる科目ではないと思います。
試験の手ごたえは十分にあったため、あとは合格発表を待つだけとなりました。
試験終了後
試験が終わると、あとは合格発表を待つだけです。
私が受験したときは、合格発表は試験から約3週間後でした。
1日目の筆記試験については自己採点でおそらく合格圏内、2日目の電気通信術についても手ごたえは十分にありました。
とはいえ、正式な結果が出るまではやはり落ち着かないものです。
そして合格発表の日、日本無線協会から合否通知のメールが届きました。
ただし、メール本文に直接「合格」「不合格」と書かれているわけではありません。
メールには、試験結果を確認するためのページへの案内と、アクセス用の情報が記載されていました。
その案内に従って結果を確認すると、

よし、合格だ。
無事に航空無線通信士試験に合格していることが確認できました。
これで試験そのものは一段落です。
しかし、ここで終わりではありません。
航空無線通信士として無線設備の操作を行うには、試験に合格しただけではなく、無線従事者免許証の交付を受ける必要があります。
つまり、合格後に無線従事者免許の申請手続きを行う必要があります。
ここで私は少し勘違いをしていました。
合格したら、申請書類一式があとから郵送されてくるものだと思い込んでいたのです。

はて、そろそろ申請書類一式が届いてもいいころなのだけど・・・?
合格発表から1週間たっても何の連絡も来なかったので、改めてメールを読み直してみると、
なお、合格された方については、総務省(総合通信局)に提出する無線従事者免許申請書(受験事項掲載済)をダウンロードできます。(試験結果が合格でなかった方はダウンロードできません。)
(無線従事者免許申請書(受験事項掲載済))
https://exam.nichimu.or.jp/applicants/licenseApp.html
(申請書記入上の注意(総務省のホームページ;手書きで提出する様式を含む))
https://www.tele.soumu.go.jp/j/download/radioope/
合格通知のメールにしっかりと無線従事者免許申請書のリンク先まで記載されてました。
慌てて書類をダウンロードし、申請書類を作成しました。メールはしっかり読みましょう。
私が受験したときは、受験事項が記載された無線従事者免許申請書をダウンロードし、必要事項を追記して郵送する形で申請しました。
申請書はxlsx形式、つまりExcelのデータとしてダウンロードされました。
ところが、当時の私のPCにはOfficeを入れていなかったため、そのままではxlsx形式のファイルを開けませんでした。

さて、Officeをいまさら買うのも高くつくし、どうしたものかな?
そこで、Microsoftが提供しているOffice Onlineを使い、無事に申請書データを開くことができました。
ダウンロードした申請書には、受験申し込み時に登録した顔写真や、基本的な情報がある程度反映されていました。
そのため、不足している部分を追記すれば、申請書として使える状態になります。
なお、どうしてもデータの申請用紙が扱えない場合は、総務省の電波利用ホームページからフォーマットをダウンロードしてきて、手書きで作成しても大丈夫です。
免許の申請をするにあたって必要なものは以下のとおりです。
- 無線従事者免許申請書
- 氏名および生年月日を証する書類
- 手数料分の収入印紙
- 写真(申請書にデータで貼り付け済)
- 返信先を記載し、切手を貼付した返信用封筒(免許証の郵送を希望する場合)
「氏名および生年月日を証する書類」に指定されているのは、住民票の写し、戸籍抄本、印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書のみです。マイナンバーカードは珍しく使えないようです。
または、住民票コード、無線従事者免許証、電気通信主任技術者資格者証、工事担任者資格者証を持っている人はその番号を所定欄に記載することで、書類の添付が省略できるようです。
手数料については、私が申請した当時と現在で制度が変わっている部分があります。
私が申請した時は1,750円でしたが、令和7年10月1日以降、書面で無線従事者免許を申請する場合の手数料は2,050円に上がっています。
書面申請の場合、手数料は収入印紙で納付します。
ここで注意したいのが、収入印紙と収入証紙の違いです。
収入印紙は国に納める手数料などに使うもので、収入証紙は地方公共団体に納める手数料などに使うものです。
無線従事者免許申請で使うのは、収入証紙ではなく収入印紙です。

名前も見た目も似ていますが、用途は全然違います。
間違えないようにしましょう。
収入印紙は郵便局などで購入できます。
郵送で申請する場合は、申請書類を送る前に収入印紙を用意し、申請書の所定欄に貼り付けます。
返信用封筒は、免許証を郵送で受け取りたい場合に必要です。
封筒に自分の住所と氏名を記入し、必要な切手を貼って同封します。
普通郵便でも申請自体はできますが、心配な方は簡易書留などを利用してもよいと思います。
また、現在は無線従事者免許申請について電子申請も始まっています。
私が受験した当時は書面で申請しましたが、これから申請する方は、書面申請だけでなく電子申請も選択肢に入ります。
電子申請の場合、必要書類や手数料の納付方法、添付データの扱いが書面申請とは異なる可能性があります。
そのため、実際に申請する際は、総務省や日本無線協会の最新案内を確認してから手続きを進めることをおすすめします。
こうして申請書類一式を用意し、私は郵送で無線従事者免許の申請を行いました。
申請してから免許証が届くまでは、しばらく時間がかかります。
私の場合は、申請から約5週間ほどで航空無線通信士の免許証が手元に届きました。

届いた免許証は、自動車運転免許証と同じようなプラスチックカードです。
画像では分かりづらいですが、富士山のホログラムも入っていて、なかなか立派な見た目です。
無線従事者免許証には有効期限がありません。
一度取得すれば、取消しなどを受けない限り、生涯有効な資格になります。

こうして実際に免許証が手元に届くと、
ようやく一つの資格を取り切ったという実感が湧いてきます。
航空無線通信士は、決して誰にでも必要な資格ではありません。
しかし、航空無線や航空通信に関心がある人にとっては、英語、無線工学、法規、電気通信術をまとめて学べる、かなり面白い資格だと思います。
今回の受験を通じて、自分の中でも無線資格の選択肢を一つ広げることができました。
また次のステップへ進むための、よい経験になったと思います。
今回のところはこの辺で。




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